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3Dプリンターを活用する上海企業CellXが培養豚肉のサンプルを発表

 

3Dプリンターを活用して培養肉を開発する中国の培養肉企業CellXが培養豚肉のサンプルを発表した。同社は2025年までに従来の肉と競争力のある価格で培養肉の販売を目指している。

2020年に上海に設立されたCellXは、中国の培養肉企業3社のうちの1社。

同社は中国市場を最初のターゲットとしている。中国ではコロナウイルスとアフリカ豚コレラ発生により、食料安全保障への関心が特に高まっている。現にコロナウイルスが発生した2020年、農業食品ソリューションには前年比66%増の60億ドルという記録的な資金が集まった

こうした現状について、CellXは次のように述べている。

「世界の豚肉の半分以上が中国で消費されています。中国政府は今後数十年で二酸化炭素排出量を積極的に削減することを約束していますので、培養肉は中国の豚肉危機と食料安全保障問題を解決する手段とみなされています」

CellXの研究チームはこれまでにコストを5分の1に削減している。2022年には10分の1に削減し、2025年には従来の動物肉と同等価格にまで削減したいと考えている。

出典:CellX

創業者の楊梓梁氏は、無血清培地を開発し、合成生物学の技術を活用した成長因子を開発することでコスト削減を達成できると考えている。

CellXは今年になってから2回のラウンドで計430万ドルを調達した。ラウンドは中国の主要ベンチャーキャピタルZhenFund(真格基金)が主導した。

現在、25名のチームから構成されるCellXは、調達した資金でチームを拡充し、研究開発を加速する。

培養肉の販売を認めたのは現時点ではシンガポールのみだが、最近では米イート・ジャストがカタールへの培養肉工場の建設でパートナーシップを発表するなど、シンガポールに続こうとする動きがみられる。

中国では昨年の両会で、孫政協委員が培養肉開発を強化し、法整備を進め、培養肉の開発に従事する企業を支持するよう訴えている。こうした動きは、中国が食料保障問題を解決するうえで培養肉を前向きにとらえている表れとも見ることができる。

 

参考記事

Shanghai Startup CellX Debuts Cultivated Pork, Bags $4.3M To Bring Cell-Based Meat To China

36氪首发 | 3D打印出动物肉的口感,细胞培养肉公司「CellX」完成数千万元人民币天使轮融资

 

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アイキャッチ画像の出典:CellX

 

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