フードテック

オイシックス、新潟大学大学院にフードテックの学位プログラム設置へ|2035年までに100人超育成を計画

出典:オイシックス・ラ・大地

オイシックス・ラ・大地は今月12日、新潟大学と共同で、大学院の新たな学位プログラム「フードテック・イノベーションプログラム(仮称)」の設置準備を始めたと発表した。

開設は2028年4月を予定し、経済産業省が推進する「契約学科制度」の国内先行事例と位置づける。修士課程2年、定員は1学年10人。2035年までに100人以上の高度人材輩出を目指すとしている。

プログラムは、新潟大学が2026年4月に改組する大学院総合学術研究科に置かれる構想で、学部の卒業生だけでなく社会人や海外人材も対象とする。

拠点は、新潟市都心部に設置するフードテック特化型の新拠点と、新潟大学五十嵐キャンパスの「食と健康のInnovation Hub」。

カリキュラムの中核には、実際の企業課題に基づく事業計画の策定実習や長期インターンシップを据え、オイシックスを含むスタートアップ型の企業人材を客員教授として招く。修了後は参画企業での幹部候補採用や、優れた事業計画に対するベンチャーキャピタル出資を通じた起業支援も実施する構想で、事業化までを視野に入れた人材育成を進める。

出典:オイシックス・ラ・大地

ミールキットの宅配事業で知られるオイシックスは近年、フードテック領域への取り組みを強化してきた。

2019年に食領域のスタートアップ出資を目的としてFuture Food Fundを立ち上げ、これまでにUpside Foods、Impact Food、Forsea Foods、Formo、MeliBio、インテグリカルチャー、グリーンカルチャーなどに出資してきた。

2024年11月には「新潟フードテックタウン構想」を打ち出し、2025年には新潟市内に拠点「Niigata Farm」を開設。開志専門職大学とも連携して講義を始めている。今回の大学院構想は、投資や商品開発、地域拠点づくりに続き、同社が大学と連携して本格的な人材育成に乗り出した動きといえる。

産学連携で人材育成、海外でも

2024年12月開催の「新潟フードテックタウン プレイボールイベント」の様子 出典:オイシックス・ラ・大地

海外でも企業と大学が連携して、将来性のある分野の人材育成に深く関与する流れが広がっている。

細胞を培養して肉を作る細胞性食品の分野では、タフツ大学が2023年に世界で初めて学士課程の中に細胞農業の副専攻を設けた。また、細胞農業に関する大学院向けの修了証書プログラムも設置しており、細胞農業分野の人材育成を進めている。

韓国では延世大学大学院システム半導体工学科が、同国初のサムスンの契約学科を設けている。在学中の入学金・授業料をサムスンが支援し、条件を満たせば卒業後のサムスンへの入社も保証するとしている。

台湾でも半導体分野で、逢甲大学が半導体企業SPILと連携して、半導体技術の国際修士課程を設立している。在学中は政府およびSPILから経済的支援を受けられ、SPILから生活手当を受けた学生は卒業後に同社で2年間の勤務が義務づけられる。

このように、オイシックス×新潟大学のほかにも、産学連携で人材育成を進める事例が確認される。

経産省は契約学科制度について、韓国や台湾の事例も参考にしつつ、産業界で活躍できる人材を育成するため、産学が協力して設置・運営する学位の授与を行う教育プログラムだと説明している。

オイシックスと新潟大学の今回の動きは、フードテック人材の育成を本格的に推進する産学連携の先行モデルとなりそうだ。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

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