代替プロテイン

代替肉ブランドTiNDLEを開発するNext Gen Foodsが約114億円を調達、米国本格進出へ

 

植物由来の代替肉を開発するシンガポール企業Next Gen Foods(ネクスト・ジェン・フーズ)は15日、シリーズAラウンドで1億ドル(約114億円)を調達した

これは、昨年2月、7月に実施された計3000万ドルのシードラウンドに続くものとなる。この調達により、調達総額は1億3220万ドル(約152億円)となった。

同社は今月より、アメリカのレストラン、オンラインストアで自社代替肉ブランドTiNDLEの販売を開始する。

Next Gen Foodsがアメリカ市場に本格進出

出典:Next Gen Foods

2020年にシンガポールに設立されたNext Gen Foodsは、大豆、小麦など9つの原料を使用した代替鶏肉ブランドTiNDLEを展開している。TiNDLEは「lipi」という特別成分をブレンドしており、これが本物の鶏肉のような味と風味を生み出す秘訣となっている。

同社は、シンガポールの限られたレストランでTiNDLEを販売してから1年経たない短期間で、アメリカ、アムステルダム、香港、シンガポール、ドバイなどの200を超えるレストランで販売を実現した。

今月より、アメリカのカリフォルニア(サンフランシスコ、ロサンゼルス、ナパ)、ニューヨークマイアミフィラデルフィアのレストランでTiNDLEが提供される。数ヵ月かけてアメリカの主要都市への提供を拡大する予定だ。

Next Gen FoodsのCEO兼共同創業者Andre Menezes氏は、長い間、ターゲット市場であったアメリカ進出を実現したことについて、「気候危機に歯止めをかけるための美味しくて持続可能な食品を提供するという私たちの旅の序章にすぎません」とコメントしている。

出典:Next Gen Foods

今月より、アメリカの販売業者は、60年の歴史を持つ大手二次卸業者DOT Foodsを通じてTiNDLEを注文できる。これにより全米50州でTiNDLEが流通するようになる。レストランは地元の卸業者から直接または、FoodServiceDirect.comを通じてTiNDLEを購入できる。

調達した資金の一部は、今年後半にシンガポールにオープンする予定の新しい研究開発センターに充てられる。この研究開発センターはシンガポールの政府系ファンド、テマセクのアジア・サステナブル・フーズ・プラットフォームによって設立される。

植物肉で続く大型の資金調達

出典:Next Gen Foods

クランチベースによると、過去2年間で、植物由来食品の企業に対する出資額は46億ドル以上となった。ここ数ヵ月で、下記の大型の資金調達が実施されている。

唯一、シンガポールで販売されている培養肉にも、過去1年間で8億ドル以上が集まっている。

今回のラウンドにはテマセク・ホールディングスアジア・サステナブル・フーズ・プラットフォームGGVキャピタルK3ベンチャーズなどの既存投資家に加え、新たにAlpha JWCベンチャーズ、シンガポールのグローバル投資ファンドEDBI、イギリスを拠点とするMLPベンチャーズなど、ヨーロッパ・アジアを拠点とする投資家らが参加した。

 

参考記事

Next Gen Foods Debuts TiNDLE in the United States and Announces a Record-Breaking $100 Million Series A Funding Round

Next Gen Gobbles $100M As Fake Meat Category Grows

 

関連記事

 

関連記事

  1. 草食動物の腸内細菌で代替タンパク質を開発する米SuperBrew…
  2. Perfat Technologiesによる「次世代オレオゲル」…
  3. New Cultureが世界で初めて精密発酵カゼインでGRAS自…
  4. 【参加レポート】第34回食品開発展2023年10月@東京
  5. 米Geltor、飲食用の精密発酵コラーゲン「PrimaColl」…
  6. オーストラリアのVow、南半球最大の培養肉工場をオープン
  7. 酵母由来の代替パーム油を開発するオランダのNoPalm Ingr…
  8. イネで乳タンパク質を開発する日本発のKinish、1.2億円のシ…

おすすめ記事

代替肉はなぜ必要なのか?代替肉の必要性、分類、現状をわかりやすく解説

ベジタリアン、ヴィーガンでないなら代替肉は必要ないのでは? 日本は…

コンビニで出来立てチャーハン|ローソン、TechMagicの炒め調理ロボット「I-Robo 2」を初導入【現地レポート】

2025年7月22日、炒め調理ロボット「I-Robo 2」がついにコンビニに登場…

植物食品のゲームチェンジ:Motif FoodWorksが植物性の伸びるチーズと霜降り肉技術の使用権を獲得

Motif FoodWorksは植物肉・植物チーズをより本物に近づける技術の独占…

イリノイ州が精密発酵の推進に向けて、iFAB Tech Hubに約1030億円の出資を発表

アメリカ・イリノイ州は今月、精密発酵によるバイオものづくりを推進するiFAB T…

代替エビを開発するNew Wave Foodsが約18億円を調達、3月末までに飲食店で提供予定

植物ベースの代替魚開発に取り組むNew Wave Foodsが、シリーズAラウン…

イスラエル企業Remilk、アメリカで精密発酵乳タンパク質の認可を取得

テルアビブを拠点とする精密発酵企業Remilkは、アメリカでGRAS自己認証を取…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/26 16:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/26 03:08時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/26 06:44時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/26 22:27時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/26 14:27時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/26 01:50時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP