米国、カナダ、英国、フランス、ドイツで2,950を超えるレストランを経営しているChipotleは、トルティーヤチップスの自律型製造ロボット「Chippy」を発表した。
Chipotleの料理・技術チームは、ファストフードの製造ロボット「Flippy」を生産しているMiso Roboticsと連携することで、最新のロボット技術でChipotleのトルティーヤチップスを製造可能にした。
料理の完全性を維持したロボットの開発
Chipotleの料理チームは、Chipotleの料理を完全に再現するようにMiso Roboticsへ伝えたという。人工知能を活用して、コーンマサ粉、水、ひまわり油を使用したChipotleのトルティーヤチップスを正確に再現するように訓練されており、チップスを完璧に調理し、塩をまぶして味付けをし、少量のライム果汁を入れる。
顧客が毎回食べたいと思う美味しいトルティーヤチップスを製造するには、技術を同等レベルにすることが必須だと考えた。
Chipotleの料理部長であるネビエル・パンサキー氏は、「人々は少し多めの塩がついていたり、少し過剰なライム果汁がついているチップスが大好きだ。調理体験の背後にある人間性を失わないようにするために、Chippyを広くトレーニングさせ、現在の商品を反映した仕上がりで、顧客の期待する味の巧みなバリエーションを提供できるようになった」と発言している。
今年後半にChipotleのレストランで導入予定
Chippyは現在カリフォルニア州アーバインにあるChipotle・カルティベイト・センター、イノベーションハブでテストされており、今年後半には南カリフォルニアのChipotleのレストランに導入される予定である。Chipotleは全国的展開を決定する前に従業員や顧客の声をヒアリングし、取り入れたいと考えている。
Chipotleの最高技術責任者であるカート・ガーナー氏は「私たちは常に従業員やお客様の体験を向上させることを探求している。私たちの目指すところは、協働ロボットを通じて効率を上げ、Chipotleの従業員がレストラン内で他の作業に集中できるようにすることだ」と発言している。
Miso RoboticsのCEOマイク・ベル氏は「このパートナーシップは、私たちが新しい領域に参入し、社内の機能を改善し、チームメンバーが日常的な責任を遂行するうえで助けになる」と発言している。
レストランテクノロジーの先駆者であるChipotleは、デジタル事業を支援し、レストランの摩擦を解決するための新しいソリューションへの投資を続けている。
同社はテクノロジーを一貫して正しく展開することで、人々の体験を向上させることができると信じており、すでにコンシェルジュチャットボットである人工知能のPepperを導入している。Pepperは、顧客へChipotleアプリまたはサイトを通して特別な体験を提供している。
2022年はレストラン自動化へ大きく前進する年
ピザハット、Bear Robotics、Pazziなどは、レストラン自動化に向けたロボット導入で大きな発表をしている。ピザバットはピザの製造ロボット、Bear Roboticsは配膳ロボットを開発、Pazziはフランスでピザロボットレストランをオープンしている。
今回のChipotleの参入は、レストラン自動化へ向けて主要な従業員機能の一つを自動化へ移行する大きな一歩になる。
日本でも中国、深圳発のPUDU Roboticsの配膳ロボットが、すかいらーくグループなど大手ファミリーレストランで導入されており、レストランの自動化が注目されている。
参考記事
CHIPOTLE TESTS AI KITCHEN ASSISTANT, CHIPPY
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アイキャッチ画像の出典:Chipotle