Foovo Deep

Joes Future Foodが中国初の培養豚バラ肉を発表、中国政府も細胞農業を重視

 

中国の培養肉企業Joes Future Foodは先日、南京国立農業ハイテク産業モデル地区で開催した第2回培養肉試食会・技術発表会議で、同社が開発した細胞由来豚バラ肉の試食会を実施した。

会議では、培養豚バラ肉、培養油脂に加え、筋肉細胞と脂肪細胞の共培養、費用対効果の高い無血清培地、キャリアーを使わない浮遊培養から、マルチチャンネルによるバイオプリンティングの精密制御など革新的な新技術が発表された。

培養豚バラ肉 出典:Joes Future Food

Joes Future Foodによると、同社の培養豚バラ肉は「噛み応えがある」という評価を受けたほか、培養油脂は「加熱すると風味がある」、豚肉ケバブは「本物だ」と評価されたという

Joes Future Foodは現在、培養肉を食卓に届けるために、培養肉のパイロット生産ラインを構築しており、商用化に向けて取り組んでいる。

同社研究チームの中核である南京農業大学の周光宏教授は、培養肉は動物の細胞を体外で培養して生産された肉であり、その核心は「動物の飼育」を「細胞の飼育」に変換することにあると述べている。つまり、豚を飼育しなくても豚肉を食べられるようになるということだ。培養肉の開発は、中国の持続可能な発展、低炭素農業、そして国家の食料戦略にかなうものになるとJoes Future Foodは考えている。

5カ年計画に初めて培養肉を明記

出典:Joes Future Food

習近平総書記は3月の中国人民政治協商会議第13期全国委員会第5回会議で、食糧安全保障に関する政府の見解を概説した。その時の声明で「従来の穀物、家畜や家禽資源のほかに、生物資源を活用する必要があります。生物科学、バイオテクノロジー、バイオ産業を発展させることで、植物、動物そして微生物から栄養やタンパク質を得ることができるのです」「複数の手段を活用してあらゆる面で食料資源を開発しなければなりません」と述べた

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

 

関連記事

  1. インポッシブルフーズの脅威になるか?スピルリナ由来のヘムを開発し…
  2. Orbillion Bio、欧州35ヵ国への培養牛肉販売に向けて…
  3. オランダ小売大手Albert Heijn、植物性タンパク質47%…
  4. デンマークのセブンイレブン、Endless Food Coのビー…
  5. 微生物でタンパク質を作るNature’s Fyndが約46億円を…
  6. Fooditive、リンゴと梨をアップサイクルした植物性甘味料を…
  7. 米Oobliが精密発酵による甘味タンパク質ブラゼインでGRAS認…
  8. マクドナルドがアメリカでマックプラントの試験販売を終了

おすすめ記事

味の素、おいしい減塩に向けた「電気調味料」技術を開発

味の素は今月、皮膚を通じた微弱な電気刺激で味覚をコントロールする「電気調味料」技…

ヘンプシードとかぼちゃの種から生まれた植物性チーズ: Seeductive Foodsによる主要アレルゲン不使用のビーガンオプション

Good Food Institute(GFI)によると、アメリカで植物チーズを…

米Sweegenが精密発酵による甘味タンパク質でFEMA GRASステータスを取得

甘味料と風味のイノベーションを推進する米スタートアップ企業Sweegenは今年、…

中国の培養肉企業Joes Future Food、パイロット工場建設のための資金を獲得

中国の培養肉企業Joes Future Food(周子未来)は先月、シリーズAラ…

米Algae Cooking Club、微細藻類由来の食用油を発売

アメリカのスタートアップ企業Algae Cooking Clubは先月、微細藻類…

パーフェクトデイ、精密発酵の「biology-as-a-service」を本格始動

食用タンパク質で精密発酵をリードする米パー​​フェクトデイ(Perfect Da…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/04 16:21時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/05 03:01時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/05 06:34時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/04 22:22時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/04 14:21時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/05 01:40時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP