代替プロテイン

スウェーデン企業Hooked Foodsがドイツのスーパー400箇所で代替シーフード製品を発売

 

植物性代替シーフードを開発するスウェーデン企業Hooked Foodsが、ドイツに進出した。先日、Hooked FoodsはドイツのスーパーマーケットREWE約400店舗で製品の発売を実現した。

Good Food Institute(GFI)によると、2022年に欧州のプラントベース食品で最も成長を遂げたカテゴリーはシーフードだった。売上規模では乳製品に及ばないものの、2021年から2022年にかけて代替シーフードの売上は60%、2020年からの2年でも326%と最も成長しているカテゴリーとなった。

出典:GFI

また、ドイツは欧州市場におけるプラントベース食品の売上が最多の国となる。2022年には売上高で2位のイギリスを大きく引き離し、19億1100万ユーロを記録した。

出典:GFI

欧州最大のプラントベース国であるドイツの約400箇所で発売を実現したことについて、Hooked Foodsの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のTom Johansson氏は、「4年前に文字通りビジョンだけでこの事業を始めた時は、こんなことが起こるとは信じられなかったです」と興奮をあらわにしている

Hooked Foodsがドイツの小売400箇所で代替シーフード製品を発売

出典:Hooked Foods

ドイツのREWEで販売されるのは、SalmoonishとToonishを含む4製品。

Salmoonishはフレーク状の代替サーモン製品で、大豆、えんどう豆、小麦のタンパク質を使用し、100gあたりタンパク質を17g含む。Toonishはフレーク状の代替マグロ製品で、ボウル、寿司、パスタ、ピザなどさまざまな製品に使用できる。100gあたりタンパク質を17.1g含み、えんどう豆、藻類タンパク質を原料に使用している。

2019年にストックホルムに設立されたHooked Foodsは2021年9月、スウェーデンの小売店で発売を実現した。2022年10月には新製品で追加の小売導入を実現した

スウェーデンを超えて欧州最大のプラントベース国・ドイツへの進出を実現した背景には、欧州での高まる代替シーフード需要に加えて、Hookedの製品に対して肯定的なフィードバックが寄せられていることもあるだろう。

Vegconomistの報道によると、今回のドイツ進出は、大手販売代理店Oohaとの提携により実現した。

Hooked Foodsは今年6月、技術を拡張し、市場投入を拡大するため、クラウドファンディングで資金調達を実施した。初日で目標額を達成し、600万スウェーデンクローナ(約8400万円)を調達した同社は、Oohaと提携し、ドイツへ進出する計画を発表していた

出典:Future Ocean Foods

Hooked Foodsは最近発足した、世界の36社が参画するFuture Ocean Foodsの一員でもある。

Future Ocean Foodsは、植物由来、発酵由来、細胞培養由来の代替シーフード企業が参画するもので、世界の代替シーフード産業を加速させ、食料安全保障、人間の健康、持続可能な環境の実現、海洋保護の促進を目的として設立された。

 

参考記事

Hooked Foods: Swedish Vegan Seafood Startup Docks Into Germany with Plant-Based Salmon & Tuna

Hooked Launches Plant-Based Seafood Range at Hundreds of German Stores

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Hooked Foods

 

関連記事

  1. バイオ3Dプリンティング技術で培養肉を開発するTissenBio…
  2. Nature’s Fyndが菌類由来の代替肉を米ホー…
  3. 果物の廃棄物を活用して精密発酵脂肪を開発するZayt Biosc…
  4. ユニリーバのBen & Jerry’s、アニマルフリー…
  5. フードテックの祭典Smart Kitchen Summit 20…
  6. デンマークのMATR Foods、欧州投資銀行から約31億円の融…
  7. GEAが代替タンパク質の技術センターをドイツに開設
  8. Redefine Meatが70のレストランと新規パートナーシッ…

おすすめ記事

フードデリバリーの「Google」、デリバリー各社を比較・検索できる統合アプリMealMeとは

フードデリバリーを頼むとき、多くの人がさまざまなプラットフォームを使って、何を注…

代替油脂の米Lypidが台湾大手コーヒーチェーンと提携、500店舗に導入

植物由来の代替油脂を開発する米Lypidが、台湾大手コーヒーチェーンのLouis…

微生物発酵で赤色着色料を開発するChromologicsが約8億円を調達

微生物発酵により着色料を開発するChromologicsが、シードラウンドを60…

香港培養肉スタートアップAvant Meatsが約3億2千万円を資金調達、2021年の市販化を目指す

このニュースのポイント 香港培養肉企業Avan…

【現地レポ】シンガポール・スーパーマーケットでの精密発酵食品の販売状況を調査

微生物を工場として特定成分を生成する精密発酵に対する関心は国内でも高い。最近では…

米Meati Foods、菌糸体由来の朝食向け代替肉をスーパーマーケットで発売

菌糸体由来の代替肉を展開する米Meati Foodsは、同社初となる朝食用製品「…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(05/06 15:05時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(05/06 00:55時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(05/06 04:55時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(05/06 21:05時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(05/06 13:10時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(05/06 00:10時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP