代替プロテイン

ドイツのBettaF!sh、海藻と植物を使用した代替サーモンSAL-NOMを発売

 

ベルリンを拠点とする代替魚スタートアップBettaF!shは今月、代替マグロ製品TU-NAHに続き、新製品SAL-NOM発表した。SAL-NOMは欧州産の海藻エンドウ豆そら豆などを使用して作られたビーガンサーモンとなる。

欧州8カ国に展開するBettaF!sh

出典:BettaF!sh

BettaF!shは従来のシーフードに代わる美味しく、持続可能な代替品の開発に取り組むドイツ企業。海の成分を使用して代替マグロ(Thunfisch-Alternativen)を最初の開発した企業だと述べている

最初の製品TU-NAHは、2022年11月から2023年2月まで、JAL(日本航空)の機内食メニュー(日本-ロンドン間)として期間限定で提供された。ほぼ同じ時期に、国際的なレストランチェーンL’Osteria全157店舗でもピザとパスタのメニューに使用された

昨年8月には、ドイツ、オーストリア、スペインの280店舗以上のMüllerで取り扱いを開始。今年春にはドイツの大手スーパーマーケットチェーンREWEグループの一部、スーパーマーケットREWE Center導入された。これまでにドイツ、スイス、フランス、スペイン、オーストリア、クロアチア、イタリア、ギリシャの欧州8カ国で販売を実現している

出典:BettaF!sh

共同創業者のDeniz Ficicioglu氏は、SAL-NOMは大型藻類に関して4年間の集中的な研究開発により開発されたものだと言及

自社オンラインストアですでにSAL-NOMの販売を開始しており、販売価格は6瓶で19.99ユーロ(約3400円)。海藻成分は8.9%、エンドウ豆やそら豆由来の植物タンパク質成分は45%となり、防腐剤、砂糖、メチルセルロースは使用していない

多様化する植物性シーフード、植物サーモンも登場

今月発表された植物サーモン 出典:Impact Food

GFIによると、植物シーフードの生産に伴う温室効果ガス排出量の中央値は、養殖された魚よりも34%低いと報告されている。植物性シーフードは環境負荷を軽減し、マイクロプラスチックや水銀などを含まないクリーンかつ持続可能なソリューションとして世界的に開発が進んでいる。

スウェーデンのHookedは昨年、念願のドイツ進出を実現した。イスラエルのOshiは昨年、ホールカットの植物サーモンをアメリカで発売した。ホールカットの植物サーモンではカナダのNew School Foodsも今年発売を予定している。

Impact Foodは植物マグロに続き、植物サーモンを開発。今月東京で開催されたオイシックス・ラ・大地による試食会で植物サーモンを発表した

国内ではネクストミーツが2021年に「NEXTツナ」を発売。昨年7月にはセブン・イレブンが環境に配慮した新食品シリーズ「みらいデリ」の第1弾として、代替ツナを使用したおにぎりなどを発売。代替ツナの原料は、熊本を拠点とするDAIZの植物肉原料を使用している

 

参考記事

BettaF!sh Unveils SAL-NOM Vegan Hot-Smoked Salmon Made from Seaweed

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:BettaF!sh

 

関連記事

  1. BioBetterはタバコ植物を活用して培養肉用の成長因子を開発…
  2. 精密発酵ヒトラクトフェリン、米国で複数ブランドが販売・予約注文開…
  3. 米パーフェクトデイ、精密発酵による甘味タンパク質開発で市場参入か…
  4. 培養魚のWanda Fishがタフツ大学と独占的ライセンス契約を…
  5. Aqua Cultured Foodsが微生物発酵による代替イカ…
  6. Steakholder Foodsのバイオインク活用”植物魚”が…
  7. TissenBioFarmが韓国初の細胞農業支援センターで10K…
  8. KFCがシンガポールで植物肉バーガーの販売を期間限定でスタート

おすすめ記事

おいしい水分補給の実現を目指すCirkulが約32億円を調達

美味しい水分補給の実現を目指すCirkulが、シリーズBラウンドで3000万ドル…

お多福醸造・オタフクソースがマイコプロテイン事業に参入

お好みソースで知られるお多福醸造・オタフクソースがマイコプロテイン事業に参入する…

イスラエルのFabumin、アクアファバから代替卵白を開発|今年夏にオランダ市場参入へ【セミナーレポ】

出典:Fabuminイスラエル発の代替卵白企業Fabuminは、豆類加工で生じる副産物「アクアフ…

Remilkの精密発酵乳タンパク質がシンガポール当局の認可を取得

イスラエルの精密発酵企業Remilkは23日、シンガポール食品庁(SFA)から販…

日本のプラントベース市場は“選択肢”になれるか─展示会から見えた多様化と流通の壁|プレミアム・フードショー2025現地レポート

東京ビッグサイトで4月15日-17日に開催された「プレミアム・フードショー」では…

ヘンプシードとかぼちゃの種から生まれた植物性チーズ: Seeductive Foodsによる主要アレルゲン不使用のビーガンオプション

Good Food Institute(GFI)によると、アメリカで植物チーズを…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(08/19 15:38時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(08/20 01:49時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(08/20 05:37時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(08/19 21:43時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(08/19 13:39時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(08/20 00:52時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP