スイスのスタートアップ企業Catchfreeは、微細藻類と植物成分を使用した代替エビを開発している。この代替エビは昨年末より、チューリッヒの一部レストランで提供が開始された。
微細藻類を使用した代替エビ
Catchfreeは、従来のシーフード産業がもたらす環境・健康上の課題に対処し、消費者に健康で持続可能な代替品を提供するため、Eduard Müller氏とSeverin Eder氏により設立された。同社はスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)のスピンオフ企業となる。
ETHの報道によると、Catchfreeは微細藻類をベースに、大豆やエンドウ豆などの植物タンパク質を加えた代替エビを開発。味だけでなく、栄養面でも本物の魚介類に近づけることを意識したという。
エビらしい色味の再現にはパプリカを使用。Catchfreeは、穏やかで自然なプロセスを使用して色を注入し、植物由来のエビが本物のエビと同じように見えるようにした。
Catchfreeの代替エビは昨年末、チューリッヒのレストラン「Taj Palace」と「X-Green」での提供が開始され、ウーバーイーツで注文できるようになった。
今年には、スイスのザンクトガレンにあるレストラン「Brauwerk」で8月15日から24日まで、同社代替エビを使用したフィッシュバーガーが限定提供された。
さらに、先月ドイツで開催されたBerlin Food Weekで発表し、レストラン「Ursprung」で限定提供するなど、市場投入を徐々に進めている。
Catchfreeはエビ以外にも、イカやホタテなど他の代替シーフードも開発しているという。
日本・海外における代替エビ開発
代替エビを開発する企業はまだ多くないものの、持続可能なシーフード供給を目指して、複数の取り組みが確認されいる。
国内ではイビデン物産がエンドウ豆とこんにゃくを使用した「VEGAN SHRIMP -大地のやさしいエビ-(旧称サステナブルEBI)」を開発。ごぼうの約1.3倍の食物繊維を含んだものとなる。今年のSusHi Tech TOKYO2024で提供された。
海外ではベンチャーキャピタルBig Idea Venturesが今年、昨年事業を停止したNew Wave Foodsの知的財産を取得し、植物性シーフードを開発するBayou Best Foodsを立ち上げた。同社はまず代替エビから着手する。
英FoodSquaredもB2B向けに植物性エビから始め、植物性貝類も開発するとしている。
イスラエルのSteakholder Foodsは3Dプリンターを使用した植物性ウナギに加え、今年1月には植物性エビを発表した。
参考記事
Switzerland’s Catchfree Develops Shrimp Alternative Made From Microalgae and Plant Proteins
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アイキャッチ画像の出典:Catchfree