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ドイツ政府、精密発酵・細胞性食品の商用化を後押し|2027年にイノベーションハブ設立、2028年の世界市場投入を目標に

出典:Formo

ドイツ政府は今月、バイオテクノロジーを通じて危機に強い農業・食料システムを構築する方針を示し、その中で、精密発酵と細胞培養による食品を対象領域に位置づけた。

対象にはチーズ、卵、肉、魚製品などの代替食品が含まれ、2028年までの世界市場への投入を目標に掲げている。

ドイツ連邦共和国連邦研究・技術・宇宙省(BMFTR)は今月、昨年採択された政府の「ハイテク・アジェンダ・ドイツ(Hightech Agenda Deutschland)」に基づき「バイオテクノロジーロードマップ」を発表した。

同ロードマップでは、「医療研究の先進拠点」、「バイオテクノロジーの革新的拠点」、「危機に強い農業・食料システム」、「革新的な医療技術」という4つの目標領域を挙げ、「危機に強い農業・食料システム」の中で精密発酵と細胞培養による食品に言及している。

Foovo作成

具体的には、2028年までにバイオテクノロジー食品のイノベーション・エコシステムを構築する目標を掲げ、2027年に精密発酵と細胞培養に特化したイノベーションハブを設立し、ドイツを精密発酵および細胞培養における欧州有数の拠点として確立する考えを示している(ロードマップ p11)。

目的は、公的な研究活動を束ね、企業と研究機関を連携させ、この業界が持つイノベーションの可能性を引き出すことにある(p11)。

精密発酵と細胞培養による食品の具体例としては、チーズ、卵、肉、魚製品などの代替品を挙げ、2028年の世界市場への投入を目指すとしている(p12)。

技術目標として、安定培養で細胞密度1mlあたり1億細胞超、500〜3,000L規模のバイオリアクター、バイオリアクター費用の半減、培地コスト90%削減などが示された(p12)。

また、技術移転プロジェクト「PIONEER」を通じて、代替タンパク質を将来の食の柱として開拓するとしており、2029年までに研究、実務、政策に向けたエビデンスに基づく行動指針をまとめ、成功したアプローチのスケールアップに備えるとしている(p16)。

さらに、バイオテクノロジーで製造された食品がEUの新規食品規制の対象になり得ることを明記した上で、EUバイオテック法においてサンドボックスの対象に新規食品も含めるべきだとしている(p20)。

出典:BlUU

GFI Europeはこれまで分散していた研究活動をより効果的に統合し、重複を最小限に抑え、研究成果の商用化を加速させるために、2027年に細胞培養と精密発酵のためのイノベーションハブを設立するというドイツ政府の計画を特に評価している。

一方で、ドイツでは公的投資の額が1人あたり1ユーロ未満と低く、イギリスやオランダなどに比べ遅れをとっていること、投資の大部分が植物性タンパク質に集中し、バイオテクノロジーによる食品への資金は全体の約2割にとどまることを課題として指摘している。

GFI Europeはまた、Systemiqの試算として、代替タンパク質分野が2045年までに年間200億〜650億ユーロの価値創出、11.5万〜25万人の雇用創出につながり得ると述べている。

出典:MEATOSYS

ドイツでは、細胞性食品(培養肉)を生産するコンテナシステムの農家への提供を目指すMEATOSYSや、先月に魚細胞の1,000リットル規模での培養に成功したBLUU、昨年収縮する豚の筋肉組織を開発したMyriaMeat、精密発酵でカゼインを開発するFormo、今年約11億円の調達に成功したInnocent Meat、細胞培養でミルクを開発するSenaraなどのスタートアップが登場している。

精密発酵・細胞培養による食品を国家戦略に位置づけた今回のロードマップは、ドイツ発スタートアップの研究開発と商用化を後押しするものとなりそうだ。

 

※本記事は、プレスリリースおよびロードマップをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にロードマップPDFのページ番号やリンクを付与しています。

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