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植物性チーズの米Climax FoodsがBettani Farmsに社名変更、約9.8億円を調達ーピザ市場で“オーツミルクの再現”を狙う

出典:Bettani Farms

動物に依存せず、アレルゲンフリーな代替チーズを開発する米Climax Foodsが今月、シリーズAラウンドの初回クロージングで650万ドル(約9億8,000万円)を調達した。

同時に、社名をBettani Farmsに変更し、新CEO(最高経営責任者)としてSandeep Patel氏を任命したことを発表した。

同社は数カ月以内に、モッツアレラおよびフェタ風の高タンパクな代替チーズの発売を計画している。

「オーツミルクがコーヒーにもたらした変化をピザでも再現」

出典:Bettani Farms

Bettaniはリジェネラティブ作物(regenerative crop)の種子からタンパク質を抽出し、伸びがよく、クリーミーな食感で、ニュートラルな風味の白色のタンパク質原料「Caseed」を開発。

カゼインの機能性と食感の再現を目指して開発された、非遺伝子組換えで大豆・ナッツ不使用の原料となる。同社は「Caseed」について「本物のチーズと同じ味、食感、溶けやすさ、伸びがある」ものだとしている。

プレスリリースによれば、食感への不満や、歯への付着、溶けにくさ・伸びの悪さ、タンパク質不足などが代替チーズの広い普及を妨げてきた。Bettaniの代替チーズは100gあたりタンパク質を12-20g含み、これはカマンベルチーズやモッツアレラチーズに相当するタンパク質含有量となる。

消費者の嗜好が高タンパクやアレルゲンフリー、クリーンラベル、サステナブルといったトレンドに基づいて移行する中、調査ではアメリカの成人の71%が「タンパク質摂取を増やしたい」と回答しており、近年、希望する割合は増加傾向にある。

最新データではアメリカ・カナダのコーヒー取引において植物ミルクを利用する傾向が強まっているという。コーヒーミルクとして牛乳を選ぶ割合は44%、オーツミルクが約33%、アーモンドミルクが約10%であり、代替ミルクの利用は全体の約4割超に達する。

Patel氏はこうしたトレンドを受け、オーツミルクがコーヒーにもたらした変化をピザでも再現したいとの考えを示している。「Caseed」を用いた代替チーズは“溶け・伸び・食感・風味”を両立しつつ、ピザなど加熱用に加えてフェタ、ゴート、クリームチーズなど非加熱タイプにも応用できるとプレスリリースで述べられている。

撤退もある代替チーズ市場で活路を見出せるか

出典:Bettani Farms

Bettaniは2023年4月、サンフランシスコの「Atelier Crenn」や、カリフォルニアの「Plant Food + Wine」など一部レストランで、代替ブルーチーズ「Climax Blue」の導入を発表した。

同月には大手食品メーカーのBelグループと代替チーズの開発で提携したことも発表。2024年7月には、サンフランシスコとロサンゼルスで展開する食品デリバリーGood Eggsでの取り扱いが開始された。

しかし、AgFunderの報道によれば、今年初めに代替ブルーチーズの生産を一時停止し、人員の削減も実施された。同社は今年1月、アメリカで消費の多いモッツアレラチーズなどに事業の焦点を移したという。

カゼインがもたらすチーズ特有の伸びや溶け、食感を再現するために、Standing Ovation、DairyX、Muuなど多くの企業が精密発酵カゼインの開発を進めるが、米New Culture、オーストリアFermifyがアメリカでGRAS自己認証を取得して以降、精密発酵カゼインの上市はまだ確認されていない。

一方、酵母や植物原料でカゼインやチーズの代替を目指す企業も登場している。

米Puretureは、パン酵母である非遺伝子組換え酵母を使用し、乳タンパク質と栄養価・機能性が同等の代替カゼインを開発している。今年、商用施設を完成させ、年内にドリンク飲料としての販売を計画している。

米Treelineは、カシューナッツを用いたヴィーガンモッツアレラチーズを展開しており、全米の数千箇所の店舗に導入されている。

大塚製薬が買収したカナダのDaiyaもまた、エンドウ豆やオーツ麦をベースとしたモッツアレラなどの代替チーズを展開しており、2023年末よりアメリカ・カナダの大手小売店での展開が開始された。

一方、Belグループのプラントベースチーズブランド「Nurishh」は、収益性の課題から年内の終了が報じられており、植物性製品に先立ち、今月、同ブランドで2年以上展開されていた精密発酵クリームチーズの終了が発表された。

精密発酵カゼインと比べ、Bettaniはコスト面・アレルゲン面での優位性を有するとみられる。

進展と撤退が交錯する代替チーズ市場において、新CEOのもと、「Caseed」がモッツアレラなど日常的に消費されるチーズ市場にどう浸透していくのか、長期的に精密発酵カゼインに競合し得る解決策となるのかが注目される。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

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アイキャッチ画像の出典:Bettani Farms

 

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