アップサイクル

カーギルとVoyage Foods、代替カカオ素材「NextCoa」を米国で展開

出典:Cargill

米食品大手Cargill(カーギル)と米Voyage Foodsは、カカオを使わない代替カカオ原料「NextCoa」を北米で展開すると発表した。まずはアメリカで販売を開始し、今後カナダにも拡大する。

カーギルは2024年4月、Voyage Foodsと提携し、同社のB2B向けのグローバルな独占販売代理店になると発表していた。カーギルからはその後、市場投入の正式発表は確認できておらず、今回の発表がカーギルによるNextCoaの本格的な市場展開とみられる。

アメリカではBatory FoodsBlendtekGillco Ingredientsを通じて供給する体制を整えており、近くカナダにも拡大する予定だ。

NextCoaは、ワイン醸造で生じるブドウの種子をアップサイクルした植物由来の代替カカオ素材。カーギルがVoyage Foodsとの提携を通じて開発したもので、カーギルブランドの代替カカオ素材となる。

プレスリリースによると、従来のチョコレートと比べて二酸化炭素排出量を67%削減できるという。乳、大豆、ピーナッツ、木の実を含まず、ヴィーガン、コーシャ・パルヴェ、ハラールにも対応する。

アメリカでは、ミルクチョコレート風の「Mild」と、ダークとミルクの風味をブレンドした「Dark Mild」の2種類を展開する。用途はバー、焼き菓子、アイスクリームから、スナックや菓子のコーティング、トリュフなどを想定している。

ネスレ、イオン、Barry Callebautに広がる代替カカオ

出典:Nestlé

カカオ価格の高騰や供給不安を背景に、カカオ不使用の代替カカオ原料をめぐる動きは広がっている。

代替カカオ原料は、食品メーカーの既存ブランド(ネスレ)や小売商品(イオン)に採用されるだけでなく、大手原料企業の販売網(カーギルBarry Callebaut)にも組み込まれ始めている。

ドイツのPlanet A Foodsは、ヒマワリの種子を使ったカカオ不使用原料「ChoViva」を展開しており、今年3月にはネスレ・ドイツが自社の既存ブランドに同原料を使った新商品を4月に発売すると発表した

その後、同商品はドイツの店頭に並び、Müllerの店舗やAmazonで購入できるようになった。ChoVivaは昨年に、非欧州地域として日本に初上陸しており、イオンの代替チョコレート製品「チョコか?」に採用された

Foovo(佐藤)撮影

さらに、昨年11月にPlanet A Foodsと長期の商業提携を発表した原料大手Barry Callebautも、ChoVivaのアメリカ展開に乗り出している。

Planet A Foodsの共同創業者兼CEOであるMaximilian Marquart氏リンクトインで5月19日、ラスベガスで今月開催されているSweets & Snacks ExpoでChoVivaがアメリカで初披露され、Barry Callebautが米食品メーカー向けにChoVivaの独占販売代理店を務めると発表した。

国内でも今年のバレンタインで、不二製油が開発したアノザMを採用した製品が複数販売された。代替カカオ原料は、スタートアップによる開発段階から、大手原料企業、大手食品メーカー、大手小売に採用される段階に移行している。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Cargill

 

関連記事

  1. 二酸化炭素からタンパク質を作る米NovoNutrientsが約2…
  2. 米Ayana Bio、植物細胞培養でカカオなどの生理活性物質の開…
  3. Better Juiceの砂糖削減技術を使用したフルーツジュース…
  4. 精密発酵で天然着色料を開発するPhytolonがギンコ・バイオワ…
  5. スイスのFood Brewer、培養カカオで2027年米国上市を…
  6. 砂糖削減テックのIncredoが約42億円を調達、商用化を加速
  7. Fooditive、リンゴと梨をアップサイクルした植物性甘味料を…
  8. チリのフードテックNotCoが約89億円の資金調達に成功、米国進…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

ユニリーバ、代替肉ブランドThe Vegetarian Butcherを売却へ|背景に見える“事業の選別”

Foovo(佐藤)撮影 オランダにて 2024年10月食品・日用品大手のユニリーバは20日、傘下…

モサミートはいかにしてFBSを使わずに培養牛肉を生産したのか?研究者が論文を発表

オランダの培養肉スタートアップ企業モサミートは今月13日、ウシ胎児血清(FBS)…

動物を使わないチーズを作るChange Foodsが約9100万円を資金調達、生乳市場の破壊へ乗り出す

このニュースのポイント ●Change Foodsがプレシードで約9…

Daisy Labがシード資金を調達、今年半ばに精密発酵プロトタイプ生産へ

ニュージーランドの精密発酵企業Daisy Labは今月、シードラウンドを完了した…

フィンランドのFazer、細胞性カカオの1,000L培養に成功|カカオ不使用チョコの小売展開も

Foovo(佐藤あゆみ)撮影フィンランドの大手チョコレートメーカーFazerは、カカオの将来的な…

米California Cultured、細胞性カカオの商用生産を2027年初頭に開始見込み|政府支援プロジェクトで低コスト化へ

出典:California Cultured米California Culturedは、チョコレ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP