アメリカの代替肉ビヨンドミートが中国ECサイトでの販売を開始した。
中国ECサイト大手の1つ、JD.comで先月、中国市場向けに開発したビヨンドポーク(代替豚肉)を含む代替肉商品を発売した。
ビヨンドミートが中国ECサイトに参入するのはこれが初となる。
JD.comではビヨンドポークのほか、ビヨンドビーフ(代替牛肉)、ビヨンドバーガー(代替パテ)も販売される。7月15日より、上海、北京、広州、深圳など一部の都市で販売を開始した。今後、300都市にまで販売エリアを拡大する予定。
JD.comは中国の2大ECサイトの1つ。ビヨンドミートのECサイト参入は、中国本土での存在感を高めるうえで重要な動きとなる。
今回のECサイト参入の約1年半前、ビヨンドミートは中国スターバックスで取り扱いをスタートした。
ビヨンドミートはAlibabaが運営するスーパーHemaなどでも取り扱われているが、ECサイトでの発売はこれが初となる。
現時点では一部主要都市での取り扱いだが、300都市まで拡大すれば、中国全土の消費者にリーチできるようになる。
ビヨンドミートは4月に、上海近郊の嘉興経済技術開発区(JXEDZ)に工場を開設した。これは米国外で最初の海外工場となる。同工場では現在、中国市場向けにビヨンドビーフ、ビヨンドバーガー、ビヨンドポークを生産している。
従来のビヨンドバーガー、ビヨンドビーフはエンドウ豆、緑豆などを原料としているが、ビヨンドポークは大豆、米を原料としており、畜産豚肉と比べて、飽和脂肪酸を半分にカットしている。
ビヨンドポークは昨年11月に上海のレストランで期間限定で提供されたのち、今回のECサイト進出により幅広い消費者に提供されることとなる。
中国ではアフリカ豚コレラによる豚肉価格の高騰、供給不足、豚の大量殺処分が問題視されており、豚肉の大部分を国内産でまかなってきた中国市場を狙って、ビヨンドミートのほかにも参入する企業はいる。
最近では、オーストラリアを代表する代替肉企業v2foodが中国市場進出ヘ向けて、中国市場向けに代替豚肉を開発している。同社は中国の拠点を正式にオープンしている。
代替卵・培養肉を開発するイート・ジャストは、Alibabaが運営するTmall(天猫)、JD.comで代替卵JUST Eggを販売するほか、今年1月には中国大手ファーストフードDicosの卵にも採用されている。
ネスレは天津の生産工場で、中国向け植物肉ブランドHarvest Gourmet(ハーベストグルメ)の生産を昨年12月にスタートしている。
参考記事
Beyond Meat Doubles Down on China with JD.com and Vegan Pork Launch
Beyond Meat Unleashes Beyond Pork in China with New DTC E-Commerce Site
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アイキャッチ画像の出典:ビヨンドミート