代替プロテイン

Aqua Cultured Foodsが微生物発酵による代替イカを今年後半に発売

 

シカゴを拠点とするフードテック企業Aqua Cultured Foods(アクア・カルチャード・フーズ)は15日、微生物発酵技術により開発したイカフライを発表した。

これは同社最初の製品となり、今年後半にパートナー企業を通じて販売される。

微生物発酵による代替シーフード、今年後半に市場投入

出典:Aqua Cultured Foods

Aqua Cultured Foodsは微生物発酵により、本物そっくりな見た目、味、食感そして高い栄養価を備えたマイコプロテインを開発している。これにより、寿司にできるホールカットタイプの代替シーフードの提供を目指している。

マイコプロテインとは真菌由来のタンパク質で、代表的な例では、イギリスのクォーン社のマイコプロテイン由来の代替肉が市販化されている。

微生物発酵は大きく精密発酵とバイオマス発酵に分類されるが、Aqua Cultured Foodsは後者に分類される。

精密発酵の代表格はパーフェクトデイで、微生物はあくまで「生産工場」としての役割を果たし、必要なタンパク質を分泌した後は最終産物から除去される。これに対し、Aqua Cultured Foodsのようなバイオマス発酵は、微生物を培養、生育させたものをタンパク質にしている。

出典:Aqua Cultured Foods

Aqua Cultured Foodsのマイコプロテインを使った代替イカは、100グラムあたりタンパク質を15~20グラム、食物繊維を15~20グラム含み、本物のイカの栄養価に匹敵する。コレステロール、脂肪、塩分を含まない点で、本物のイカにはないメリットも提供できるという。

同社は世界中に100以上のレストランをオープンした料理顧問シェフJohnny Carino氏の助言を受けて、リアルな食感を実現した。Carino氏は同社のイカフライについて「噛むとすぐに、イカのやや噛み応えのある本物の食感を感じます。見た目も動作もイカそっくりです」とコメントしている。

出典:Aqua Cultured Foods

最初の製品はイカフライとなるが、Aqua Cultured Foodsは開発対象に応じて食感を変える独自技術を有しており、エビ、ホタテ、マグロ、白身魚の切り身も開発している。

今回の発表について同社CEOのAnne Palermo氏は「研究開発ステージから商用化までの加速したタイムラインに移行しています。現在は、スケールアップ、戦略的提携、レストランチェーンなどの市場開拓パートナーに焦点をあてています」とコメントしている。

2022年は代替シーフードの年になる?

出典:Aqua Cultured Foods

識者らは、2019年を「代替バーガー」、2020年を「代替鶏肉」、2022年を「代替シーフード」の年になるとみている。2020年、アメリカの代替シーフードの小売売上は23%増加した。2031年までに13億ドルの市場規模に成長すると予想される。

代替シーフードの開発が進む背景には、世界の魚資源の80%以上が完全に利用または乱獲される一方で、世界人口とシーフード需要の増加により、2030年までにさらに2800万トンのシーフード生産が必要になることがある。

最近のニュースからも、代替シーフードの開発は加速している。

細胞培養肉の領域では、マグロ、サーモン、ロブスター、カキなど多様な商品の開発が進み、培養サーモン企業が大衆レストランと提携、培養魚企業がスシローを運営するフード&ライフカンパニーズと提携するなど、販売許可を取得した後を見据えた動きが増えている。

細胞培養、植物性成分により代替シーフードを開発する企業は多数あるものの、Aqua Cultured Foodsのようにバイオマス発酵により代替シーフードを開発する企業は少ない。

Aqua Cultured Foodsはシカゴを拠点とするが、昨年スイスの小売大手ミグロスと提携した。欧州での販売許可はこれからとなるが、ミグロスとの提携も、当局のGoサインが出た後を見据えた準備といえる。

 

参考記事

Aqua Cultured Foods Unveils First Commercial Product: Calamari Fries

 

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アイキャッチ画像の出典:Aqua Cultured Foods

 

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