Foovo Deep

マイコプロテインの英ENOUGHが年産1万トンの工場をオランダに建設、年内上市を計画

 

マイコプロテインを使った代替タンパク質を製造するイギリスのENOUGH(旧称3F BIO)は、「タンパク質市場におけるゲームチェンジャーな生産能力」を誇る、15,000㎡の工場建設完了を発表した。

2022年第4四半期から年間1万トンのマイコプロテインを生産できる初期能力をもつこの施設は、「世界最大のタンパク質工場」の1つとなり、オランダのサス・ファン・ゲントにあるカーギルの施設に隣接している。

ENOUGHはさらに、12月よりマイコプロテインの販売を開始することを発表した。

2027年までにマイコプロテインを年6万トンに増産予定

出典:ENOUGH

畜産由来の温室効果ガスは排出量全体の約15%を占めており、今後30年間でタンパク質消費は2倍になると予測されている。高まるタンパク質需要を持続可能な方法で満たすため、国内外で植物由来の代替肉、細胞由来の培養肉、微生物を活用した代替肉の開発が進んでいる。

2015年設立のENOUGHは、2027年までにマイコプロテインの生産能力を6万トンまで増産することを計画している。これは現在の生産能力の6倍で、2分毎に1頭の牛のタンパク質を育てることに相当する。

ENOUGHは再生可能な原料を使用して、菌類の発酵を利用したマイコプロテイン「ABUNDA」を生成している。こうした微生物発酵を利用した代替タンパク質の可能性について、世界経済フォーラムでは「発酵は世界の食生活を根本から変革し、人と環境の健康・経済を改善する機会を提供する」と言及された。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

関連記事

アイキャッチ画像の出典:ENOUGH

 

関連記事

  1. 二酸化炭素からタンパク質を開発するAerbio、オランダでパイロ…
  2. Formoが微生物発酵によるアニマルフリーなクリームチーズを発表…
  3. Yali Bioが精密発酵による代替乳脂肪を使用したアイスクリー…
  4. シンガポールの代替肉企業Next Genがシードで約10億円を調…
  5. 植物性卵・培養鶏肉を開発するイート・ジャストが新たに約219億円…
  6. 【8/9】培養肉動向セミナー開催延期のお知らせ
  7. ゲイツ氏、ベゾス氏が支援するNature’s Fyn…
  8. Evo Foodsとギンコ・バイオワークス、アニマルフリーな卵タ…

おすすめ記事

パーフェクトデイの子会社The Urgent Companyがアイスクリーム企業を買収、精密発酵タンパク質の普及がさらに加速

パーフェクトデイの子会社であるThe Urgent Companyが2021年1…

オーストラリアのAll G Foods、植物肉ブランドを切り離し、精密発酵乳タンパク質の開発に注力

精密発酵でラクトフェリン、カゼインを開発するオーストラリアのAll G Food…

ユニリーバ、代替肉ブランドThe Vegetarian Butcherを売却へ|背景に見える“事業の選別”

Foovo(佐藤)撮影 オランダにて 2024年10月食品・日用品大手のユニリーバは20日、傘下…

SimpliiGoodのスピルリナ由来のビーガンスモークサーモン、6ヶ月以内に小売店に導入へ

2025年4月30日更新イスラエルの微細藻類スタートアップSimpliigoodは22日、ス…

小麦胚芽由来の低コスト成長因子を開発する名大発スタートアップNUProteinの挑戦

食糧危機・環境問題の解決策として期待される培養肉の生産コスト低減を目指して、コム…

細胞培養向け試薬を開発する英CellRev、シリーズA調達に至らず事業停止へ

共同創業者・CSOのMartina Miotto氏(出典:Chris Green氏リンクトイン)…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/28 16:18時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/28 02:58時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/28 06:32時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/28 22:20時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/28 14:19時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/28 01:38時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP