2024年8月13日修正・追記
スピルリナを活用して代替タンパク質を開発するイスラエル企業SimpliiGoodは、現在、原料のリーディングカンパニーであるIFF(インターナショナル・フレーバー&フレグランス)と提携し、スピルリナのみを使用した代替スモークサーモンの開発に取り組んでいる。
製品は2023年末までに市場に投入される予定だという。開発では、SimpliiGoodが原料、食感、色を、IFFが風味、香料を提供する。
2020年のサーモンの世界売上高は130億ユーロに達した。過剰漁獲が指摘され、サーモンの販売価格が上昇を続けるなか、SimpliiGoodのスモークサーモンは、持続可能で健康に優しい代替サーモンとして期待される。
スピルリナ由来の代替スモークサーモン
2015年に設立されたSimpliiGoodは、藍藻の培養と収穫、スピルリナを中心とした食品生産に注力している代替タンパク質企業だ。同社はこれまでに、ハンバーガーやチキンナゲットなどの代替肉、アイスクリーム、飲料などを生産しており、これらの製品ではスピルリナを基本原料、または栄養を補強する原料として使用している。
現在開発している代替サーモンは、イスラエルの食品企業や消費者に提供される予定だという。
SimpliiGoodの代替スモークサーモンは2つの画期的技術を基盤としている。1つは、スピルリナのみを使用してサーモンのような切り身を形成し、本物の魚と同じ食感をもたらす構造化プラットフォーム。もう1つは、スピルリナに自然に存在するβカロテン色素を同定して分離した、サーモンのようなオレンジ色素となる。
これにより、スピルリナだけを使用して、外見、色、食感、風味が本物に似た代替サーモンを開発している。SimpliiGoodのスモークサーモンは、最小限に加工された新鮮なスピルリナを95%(*)使用し、含有タンパク質は40%となる。
*当時のプレスリリースには100%と記載されていますが、1年後のプレスリリースでは95%と記載があるため、95%に修正しました(2024年8月13日追記)。
スーパーフード、スピルリナを活用した代替タンパク質開発
スピルリナは地球上で最も栄養豊富な植物由来タンパク質の1つとして知られている。抗酸化物質、クロロフィル、ビタミンB12を含むビタミン、鉄分を中心としたミネラルなど様々な栄養素を含むスーパーフードと言われる。
SimpliiGoodによると、スピルリナ市場はまだ歴史が浅く、市場で入手できる製品は乾燥状、粉末状のものが主流となる。SimpliiGoodは100%生の新鮮なスピルリナの菌株を培養、販売しており、あらゆる食品用途への使用を目指している。
国内では、ちとせグループが立ち上げたタベルモが生スピルリナを活用した製品を展開している。同社は新鮮なまま瞬間冷凍した生スピルリナをB2B、B2Cで展開しており、先月には、JALグループの限定機内食で、同社スピルリナを使用したハンバーガーが提供された。
このレシピでは、大豆由来のパティに、スピルリナ・豆腐・植物油脂を使用した代替マヨネーズ「エコマヨ」、スピルリナを使用したバンズが使用された。「エコマヨ」はタベルモが近日発売予定の新製品となる。
参考記事
IFF Joins SimpliiGood to Develop Smoked Salmon From Spirulina
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アイキャッチ画像の出典:SimpliiGood