代替プロテイン

Kikka Sushiが米ホールフーズで植物性のビーガン寿司を発売

 

米大手スーパーチェーンのホールフーズと30年以上にわたって提携しているKikka Sushiが、植物成分を使用したビーガンのサーモン、マグロ製品の発売を発表した

Kikkaは味、食感、風味の点で満足できるビーガン製品を作成するという5年間のミッションの一環として、最初に白砂糖をビーガン砂糖に変更した。そして今回、植物由来食品を消費する人々向けに、ビーガン寿司製品を開発した。

Kikkaの新製品は、主にコンニャクと紅藻(寒天)を原料としたサーモンとマグロとなる。この製品はKikka独自のもので、Kikka Sushiの創業者であるTonny Soesanto氏日本のパートナー企業(社名は非公開)との協力によって開発された。

Kikkaが提供するビーガン製品には、ベジタブルロール、サラダロールがあり、間もなく、餃子、ポケが追加される。今回発表された寿司製品は、ホールフーズの一部店舗で販売されているという。

欧米が先行する代替シーフード開発

出典:Kikka Sushi

ホールフーズはこれまでにアメリカのスタートアップ企業Ocean Hugger Foodsが開発した植物性のマグロ、ウナギを導入している。同社のビーガン寿司は2017年にホールフーズに導入され、シェアを拡大したが、新型コロナウイルスの影響により、一時操業を停止した(現在の導入状況は定かではない)。

水産資源の枯渇やマイクロプラスチック残留の問題などを背景に、持続可能な水産資源の開発に注目が集まっている。近年、Ocean Hugger Foodsのほかにも、サーモンやマグロなど代替魚製品の開発が進んでいる。

Current Foodsも植物性の代替マグロ・サーモンを開発、販売している。昨年10月にはサンフランシスコ、バークレーにあるスーパーマーケット・Berkeley BowlがCurrent Foodsの代替マグロ・サーモン製品の販売を開始した

出典:Ocean Hugger Foods

3Dプリンターを活用して植物性サーモンを開発するオーストリアのRevo Foodsは、2022年に欧州での販売を600箇所から3000箇所へと拡大し、欧州21ヵ国への進出実現している。昨年秋には、スウェーデンのMycorenaと協業し、3Dプリンティングによる代替シーフード製品に適したマイコプロテインの開発で共同研究を開始している。

国内では日本ハムが、大豆を主原料とした家庭向けのフィッシュフライを3月から販売開始する

植物成分に限定しなければ、微生物を活用したバイオマス発酵により代替シーフードを開発する米Aqua Cultured Foodsは、今年第2四半期にも製品を市場に投入する予定だ。

細胞培養による培養魚の研究開発も急速に進んでおり、培養サーモンを開発するWildtypeをはじめ、マグロからホタテ、キャビア、カキなど28社のスタートアップ企業が確認されている

 

参考記事

Kikka Sushi, Partner to Whole Foods Markets, Announces the Launch of Its Plant-based Product Line, Vegan by Kikka

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Kikka Sushi

 

関連記事

  1. 乳製品生産の再考|牛に頼らず細胞培養でミルクを開発するドイツ企業…
  2. Meweryが微細藻類を活用した最初の培養肉プロトタイプを発表
  3. モサミート、牛脂肪細胞を培養する無血清培地に関する論文を発表
  4. GFIが「植物分子農業」を代替タンパク質の第4の柱として注目
  5. イート・ジャストの代替卵JUST Eggが欧州の安全性承認を取得…
  6. TurtleTreeが精密発酵によるラクトフェリン生産を発表、2…
  7. Aqua Cultured Foodsが微生物発酵による代替イカ…
  8. 古細菌の力で二酸化炭素をタンパク質に変換|オーストリア企業Ark…

おすすめ記事

米Jellatech、細胞培養によるⅠ型コラーゲンの生産に成功|動物を犠牲にしない「本物のコラーゲン」

アメリカ、ノースカロライナ州を拠点とするJellatechは、独自の細胞株の培養…

培養肉セミナー動画(日本細胞農業協会理事・岡田健成氏)|2024年3月開催

今月25日、培養肉の研究開発に取り組むかたわら、日本細胞農業協会で理事を務める岡…

培養肉企業アレフ・ファームズ、培養コラーゲン事業への参入を発表

※写真はアレフ・ファームズが2024年の上市を目指す培養コラーゲンのプロトタイプ…

米Algae Cooking Club、微細藻類由来の食用油を発売

アメリカのスタートアップ企業Algae Cooking Clubは先月、微細藻類…

食品廃棄物を活用してマイコプロテイン由来の代替肉を開発するMycorenaとは

スウェーデンの代替肉企業Mycorenaは、廃棄される植物をアップサイクルして、…

シンガポールのSophie’s Bionutrientsは微細藻類を原料にした代替パテ肉を発表

シンガポールのSophie's Bionutrientsは微細藻類を使った植物性…

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/21 14:06時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/20 23:44時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/21 03:26時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/20 20:01時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/21 12:17時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(11/20 23:02時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP