ドイツのバイオマス企業Kyndaは、ドイツ連邦食糧農業省から非希薄化(Non-dilutive)*による助成金を獲得したことを発表した。
*非希薄化な資金調達とは、資金調達後に既存株主の株比率が減らないものをいう。
助成金は、ドイツ食品技術研究所(DIL Deutsches Institut für Lebensmitteltechnik e.V.)と共同で実施する「画期的な」プロジェクトにあてられる。
Kyndaは2022年12月、DILに自社のバイオリアクター1基を研究用に納入した。このプロジェクトでは、Kyndaのバイオリアクターと食品業界の副産物を利用して食用菌糸体を大量生産するためのプロセスの最適化を目指すとしている。
今年にはドイツ、Olaf Lies(オラフ・リース)・ニーダーザクセン州経済・運輸・建設・デジタル化大臣がDILにあるKyndaのバイオリアクターを視察し、菌糸体を使用したソーセージ、サラミを試食するなど、政府からの関心の高さがうかがえる。
食品・原料メーカーを菌糸体生産者に変えるB2Bソリューション
キノコの「根」としての役割を果たす菌糸体は、土壌の下に生い茂る長く微細な繊維からなる広大なネットワークであり、自然の隠れた宝物のひとつとして、昨今は食品開発に活用されている。
菌糸体が持続可能な未来の食生産の鍵を握ると確信するKyndaは、Daniel MacGowan- von Holstein氏とFranziskus Schnabel氏によって2019年に設立された。
Holstein氏は、菌糸体からクリーンで地元産の持続可能な代替肉を作るため、2020年に経営していたハンバーガーレストランを売却した。
「市場が求めているのは別の代替肉ブランドではなく、バイオマス発酵のためのプラグアンドプレイのバイオリアクターを供給する企業だ」と認識した両氏は、バイオリアクターの不足を解決するためKyndaを設立する。
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アイキャッチ画像の出典:Kynda