Foovo Deep

ベルギーのPaleoがペットフード業界に参入|精密発酵ミオグロビンを使用したペットフードの特許を出願

 

精密発酵でヘムを開発するベルギー企業Paleoが今月、ペットフード業界への参入を発表した。同時に、ペットフードへの精密発酵ミオグロビン使用に関する特許出願を発表した。

プレスリリースによると、ペットフードへのミオグロビン使用に関する特許出願は同社が初だという。

※正確には特許出願は2022年6月になされており、2023年11月に特許が公開されたタイミングで特許出願の事実を発表したというプレスリリースになる。

この発表は、Paleoがアジアにおける事業拠点としてシンガポールに事務所を開設した10月のニュースに続くものとなる。

ペットフード業界の市場規模は2023年の1,033億ドルから、2030年には1,392億ドルになると予想されており、成長しているカテゴリーだ。

ビーガンペットフードや植物性ペットフードに対する世界的な需要が高まり、ペットフード購入者の主な購入動機としてサステナビリティを重視する意識が高まるなか、Paleoは自社の精密発酵ミオグロビンの用途としてペットフード市場への参入を模索している。

共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のHermes Sanctorum氏は、「私たちは現在、当社のミオグロビンを配合する可能性や、ペットフード用途として共に開発することに興味のあるペットフードメーカーに連絡を取っているところです」と述べている。

ミオグロビンを使用したペットフード特許を読み解く

出典:Paleo

Paleoが精密発酵で開発するのが、動物の筋肉に存在するミオグロビンだ。ミオグロビンは、植物性食品の見た目や味を、色、匂い、風味の点で肉や魚のようにする主要なタンパク質となる。同社はこれまでに、牛、鶏、豚、羊、マグロ、マンモスの6種のヘムタンパク質を開発している

Paleoの出願特許は2件確認されており、いずれも発明者の1人が共同創業者Andy de Jong氏となる。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Paleo

 

関連記事

  1. 国内最大級のフードテックイベントSKS JAPAN 2024が1…
  2. 精密発酵プラットフォームの提供を目指すFermify、カゼインサ…
  3. Forsea Foodsが初の培養うなぎ試食会をイスラエルで開催…
  4. イスラエルのWilk、研究室でヒトラクトフェリンの生産に成功
  5. ドイツのPlanet A Foodsが代替チョコレートをスーパー…
  6. えんどう豆由来の代替ミルクを開発するSproudが約6.8億円を…
  7. カナダのNew School Foodsが約8.6億円を調達、ト…
  8. 英Meatlyが培養キャットフード製品を発表、3ヶ月以内の承認を…

おすすめ記事

中国の培養肉Joes Future Foodが約12億円を調達、実証プラント建設へ

中国の培養肉企業Joes Future Food(中国語名:周子未来)がシリーズ…

培養肉でメキシコ初のスタートアップMicro Meatは量産化段階にはいる

細胞農業の進歩により培養肉がスーパーの棚に並ぶ日も近いのかもしれない。M…

Forsea Foods、培養うなぎの開発で細胞密度3億個/mL超を達成

今年は培養うなぎで大きな進展が相次いだ1年になった。8月、北里大学の池田…

細胞由来のウナギ、マグロ、タイを開発するUmami Meatsが約2.7億円を調達

写真はイメージ画像ウナギ、マグロなどの培養シーフードを開発するシンガポー…

米IngredientWerksがトウモロコシでウシのミオグロビン生産に成功

アメリカの分子農業スタートアップIngredientWerksは7月、ウシのミオ…

イスラエルのForsea Foodsが培養うなぎを発表|京都にパイロット工場を計画、2027年シンガポール進出へ

培養ウナギの試作品(Foovo佐藤撮影)培養うなぎを開発するイスラエル企業Forsea Food…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(02/21 14:43時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(02/22 00:24時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(02/22 04:19時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(02/21 20:41時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(02/21 12:47時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(02/21 23:38時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP