食品・日用品大手のユニリーバが精密発酵に参入した。
今月22日、ユニリーバは精密発酵乳タンパク質を使用したチョコレートアイスクリームの発売を発表した。ユニリーバのアイスクリームブランドBreyersとして発売され、米パーフェクトデイのホエイタンパク質を使用している。今月から全米で発売される。
ユニリーバが精密発酵タンパク質を使用した製品を発売するのはこれが初。
同社が参入計画を発表したのは2022年11月。当時、約1年以内に精密発酵アイスクリームを発売する計画が発表されたが、パートナーは非公表だった。
今回のニュースは、ネスレの2回目の発売に続くもの。ネスレに続き、ユニリーバが参入したインパクトは大きい。ユニリーバが長期にわたり販売を続けるか、他の大手メーカーの参入もみられるのかが今後の注目ポイントとなる。
ユニリーバが精密発酵アイスクリームを発売
Breyersは1882年に登場したアイスクリームの老舗ブランドで、約150年の歴史を持つ。ユニリーバは1993年にBreyersを買収した。
ネスレが2022年末に最初に発売した製品は新ブランドであったが、すでに知名度のあるユニリーバブランドに採用されたことで、Breyersを愛用している消費者が試す可能性は高まる。
ユニリーバのLisa Vortsman氏は、「代替アイスクリームの需要が伸び続けている中、Breyersが150年以上にわたって提供してきたクリーミーな味、風味を損なうことなく、食事上のニーズや好みに合ったフローズンスイーツをBreyersファンに提供することが私たちにとって重要です」と述べている。
今回発売された製品は、乳糖・コレステロールを含んでいない。パーフェクトデイがB2B事業にシフトする前とは異なり、製品には同社ロゴの掲載はない。製品の前面には「Animal-free Frozen Dairy Dessert(アニマルフリーの乳製品フローズンデザート)」と記載されている。
Agfunderの報道によると、この製品は全米の小売店で販売され、メーカー希望小売価格は48オンスで4-8ドルになるという。
大手の参入動向
精密発酵の社会普及では、製品の一部に精密発酵成分が使用されて店頭に並ぶため、大手メーカーの本格導入が社会普及の速度を左右する要因となる。しかし培養肉と異なり、精密発酵の導入状況は全体を把握しづらく、規制プロセスも地域間の差が大きい。
2021年以降の大手の参入動向をまとめると次のようになる。
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アイキャッチ画像の出典:Perfect Day/Unilever