オランダのスタートアップ企業Fooditiveは今月、植物成分を使用した甘味料「Keto-Fructose(5-ケト-D-フルクトース)」をアメリカ市場向けに発表した。
同社によると「Keto-Fructose」は独自の発酵プロセスでリンゴと梨から抽出された成分で、砂糖の風味プロファイルを忠実に再現している。チョコレート、焼き菓子、飲料、ジャム、グレーズ(ドーナツなどに施されるシュガーコーティング)などさまざまな用途に砂糖の代替品として使用できる。
Fooditiveの創業者であり最高経営責任者(CEO)のMoayad Abushokhedim氏は、砂糖代替品の有効性は味だけでは評価できないと言及。「Keto-Fructose」の開発では、甘さを再現するだけでなく、砂糖の重要な機能を再現することを重視。これにより、さまざまな用途でシームレスな代替を可能にしたと述べている。
リンゴと梨の加工で生じる副産物をアップサイクルした「Keto-Fructose」は、循環型経済を促進し、環境への影響を低減する代替砂糖として食品に使用されていくと期待される。
Fooditiveは現在、アメリカ市場での展開に向けて、大手メーカー、販売業者、業界イノベーターとの提携を模索している。
公式サイトによると欧州ではまだ認可を取得していない。アメリカではFDAによるGRAS認証のプロセスが進行している。Abushokhedim氏は昨年、「EFSAの承認プロセスを辛抱強く進めていく一方で、アメリカで行動を起こすことをこれ以上待てませんでした」と言及していた。
創業者のコア技術を使用した植物性甘味料
Fooditiveの天然甘味料の開発は、法人化に先立つ2012年、Abushokhedim氏が食品・飲料業界向けに健康的で手頃な原料を開発するという使命に着手したときに始まった。その成果である「Keto-Fructose」には、食品科学者でもある同氏の開発した技術が使用されている。
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アイキャッチ画像の出典:Fooditive