代替プロテイン

オーストリア食肉大手Marcher、肉とキノコのハイブリッド製品も扱う新ブランド「NOW!」を開始

出典:Marcher Fleischwerke

オーストリアの食肉加工大手Marcher Fleischwerkeは、肉の使用量を抑えたハイブリッド製品も展開する新ブランド「NOW!」を開始した

NOW!の公式サイトでは、牛肉とキノコを半分ずつ使う「Beef50 50Mushroom」、豚肉とキノコを組み合わせる「Pork50 50Mushroom」などが紹介されており、既存の食肉加工会社がプラントベース化だけでなく、肉と代替素材を組み合わせるハイブリッド製品に踏み込んだ点が注目される。

同社はNOW!ブランドのコンセプトを「味に自信のある、試験的で、時代を先取りした食品」とし、ヴィーガン製品、ベジタリアン製品、ハイブリッド製品を展開している

牛肉50%とキノコ50%豚肉50%とキノコ50%を組み合わせたハイブリッド製品のほか、昆虫タンパク質由来のパティ、小麦とキノコのパティ、小麦とエンドウ豆のナゲット、ローカストビーンガム由来のスライス食品、ヒマワリタンパク質由来の代替ハムなど、さまざまな製品を打ち出している

出典:Marcher Fleischwerke

Marcherは現在3代目が経営するオーストリアの家族経営企業で、2018年以降は同国の食品・飲料企業トップ10に入っている

公式発表によると、Marcherグループは2021年の売上が5億6100万ユーロ(約1040億円)で、当時オーストリアの食品・飲料メーカーで8位の規模だった。同社はオーストリア国内9拠点で約1800人を雇用し、年間16万頭の牛と100万頭の豚を処理し、40ヵ国へ輸出している。

Marcherは2017年末にLandhofLoidlを買収し、肉を使わないコールドカット製品がポートフォリオに加わった

その後、同社ブランド「die OHNE」は2023年、従来のベジタリアン向けレシピを100%植物性に切り替え、ひまわりタンパクなどを使った製品にリニューアルした

Foovoの調査では、NOW!は、Marcherグループがハイブリッド製品として明確に打ち出した初のブランドである可能性がある。

出典:Marcher Fleischwerke

オランダでも食肉業界で100年近い経験を有するJan Zandbergenが、肉の消費量を減らすための1:1のハイブリッドブランドFiftyFifty」を展開している。

スペインのスタートアップNovameatも今年3月、食品メーカー向けに肉の使用量を抑えるハイブリッド素材として、エンドウ豆を主原料とした「Balanced Protein Ingredient」を発表した

オランダのAlbert Heijnも2025年6月、動物性原料と植物性原料を組み合わせたハイブリッドミルクハイブリッドバーガーハイブリッドひき肉など計15品目を発売した。同社は2030年までに、販売するタンパク質の60%以上を植物性にする目標を掲げている

オランダのLidlも2024年、牛肉60%とエンドウ豆タンパク質40%を組み合わせたひき肉を発売するなど、欧州では小売主導でもハイブリッド製品の導入が進んでいることがうかがえる。

完全な代替肉ではなく、肉の風味を残しながら使用量を減らすハイブリッド製品は、食肉メーカーや小売にとって、肉好きの消費者に提案しやすい選択肢といえる。

MarcherがNOW!の取り組みを「試験的で、時代を先取りした食品」と評していることからも、食肉加工会社が100%代替とは異なる選択肢として、ハイブリッド製品の可能性を探る動きといえる。

 

※本記事は、リンクトインおよび公式サイトをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Marcher Fleischwerke

 

関連記事

  1. Shiruが「見た目も挙動も動物油脂のような」植物性代替脂肪「O…
  2. 3Dプリント肉のSavorEatがアメリカの大学への試験導入でソ…
  3. ビヨンドミート、Q2売上8.2%減も海外小売は16.5%増|植物…
  4. ネスレが精密発酵によるミルク「Cowabunga」の試験販売を開…
  5. 【創業者インタビュー】精密発酵でヒト母乳タンパク質を開発するPF…
  6. 【現地レポ】シンガポール・スーパーマーケットでの精密発酵食品の販…
  7. インポッシブル・フーズの大豆レグヘモグロビンをEFSAが安全と判…
  8. 古細菌の力で二酸化炭素をタンパク質に変換|オーストリア企業Ark…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

培養肉の進展と課題-タフツ大学デイビッド・カプラン教授が都内で講演【セミナーレポ】

国際細胞農業カンファレンス(第13回培養食料研究会)が10日、都内で開催された。…

英Adamo Foods、菌糸体ステーキのスケールアップへ|欧州プロジェクトが約18億円の助成金獲得

出典:Adamo Foods菌糸体由来のホールカット代替肉を開発する英Adamo Foodsは今…

Umami Bioworks、東京で細胞性シーフードの官能評価会を開催|2027年に東京で製造拠点設置へ

Foovo(佐藤あゆみ)撮影細胞性シーフードを開発するシンガポールのUmami Bioworks…

Imagindairyがイスラエルで精密発酵ホエイの認可を取得 - 販売を続ける大手企業の状況も紹介

2024年12月10日修正:後半のスライドを一部修正しました。精密発酵で…

空気と電気からタンパク質を作るSolar Foodsが約5億4千万円を調達、2022年までに生産工場稼働へ

このニュースのポイント●フィンランドSolar …

米MeliBioが欧州進出を拡大、植物性ハチミツをスイスとオーストリアで発売

米MeliBioが開発した植物性のビーガンハチミツが、イギリスでの発売に続き、ス…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート・予約注文開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP