代替プロテイン

細胞性ペットフードの商用化が進展|Ivy Farmが英国で認可取得、Friends & Family Pet Foodが香港で上市

イメージ画像(フリー画像)

細胞性ペットフードの社会実装が進んでいる。

イギリスの細胞性食品企業Ivy Farm Technologiesは今月、細胞性和牛(培養牛肉)をペットフード原料として同国で販売するための認可を取得したと発表した。一方、米Friends & Family Pet Foodは、シンガポールに続き香港で細胞性ウズラ肉を使った犬・猫用製品を発売した。

ペットフード分野において、細胞性食品の認可取得と販売地域の拡大が進んでいる。

Ivy Farm、細胞性ペットフードで英当局の認可取得

出典:Ivy Farm

Ivy Farmは、オックスフォードを拠点とする細胞性食品企業。同社は当初、ヒト向け細胞性食品の上市を目指してきた。2022年にはオックスフォードに細胞性食品のパイロット工場を開設した。

今年9月、ペットに関する見本市「PATS 2026」に出展し、ペットフード業界への事業展開を明らかにした。

今回認可を取得したのは、F1(交雑種)和牛の細胞から作る牛肉で、ペットフードメーカーに原料として供給する。公式サイトによると、同社の細胞性牛肉の試験管内消化率は98%で、牛肉の91%、鶏肉の72%を上回るという。英ペットフード企業Fold Hill Foodsと商品化に取り組んでいる。

イギリスの環境・食料・農村地域省(DEFRA)、動植物衛生庁(APHA)との手続きを経て認可を取得した。PETFOOD Industryの報道によると、最初の商用規模生産は2027年初頭に完了予定となる。

イギリスではMeatlyが2024年7月に細胞性鶏肉のペットフード向け認可を取得し、2025年2月に犬用製品「Chick Bites」を限定販売した。Ivy Farmはこれに続く認可事例となる。

米Friends & Family、香港で細胞性ペットフード製品を発売

出典:Friends & Family Pet Food

Friends & Family Pet Foodは先月、香港のECサイトPetProjectとHKTVmallで犬・猫用のペットフード製品を発売した。本記事執筆時点で、皮膚・被毛ケア、歯・歯茎ケアの製品が販売されている(2026年11月7日アクセス)。

細胞性ウズラ肉に栄養酵母やポストバイオティクスなどを組み合わせた製品で、細胞性ウズラの配合量は最大70%となる。2025年にシンガポールで細胞性ペットフードの販売認可を取得し、今年4月に発売した。

同社はGreen Queenの取材で、香港には細胞性ペットフードの上市前承認や原料ごとの個別承認を求める制度がなく、シンガポールで認可を取得した製品を、香港当局のペットフードに関する指針に従って輸入していると説明している。

細胞性ペットフードは、イギリスに加えてオーストラリア、シンガポールでも販売事例が生まれている。Friends & Familyはシンガポールで実店舗での展開を拡大しており、公式サイトでは6店舗が掲載されている。

Friends & FamilyやMeatlyのように初期からペットフードを開発対象とする企業がある一方、Ivy FarmやMagic Valley、Bene Meat Technologiesのように、ヒト向けの細胞性食品を開発しながら、まずはペットフードで商用化を目指す企業もある。

ヒト向け細胞性食品の市場投入に時間がかかるなか、ペットフードは細胞性食品企業にとって市場投入を先行させる手段の一つとなりつつある。

 

※本記事は、企業の公式情報や海外メディアで報じられた事実を参照しつつ、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

 

関連記事

アイキャッチ画像はフリー画像

 

関連記事

  1. Yali Bioが植物由来の培養脂肪生産のためにシードラウンドで…
  2. 細胞培養ミルクを開発するカナダのOpalia、大手乳業サプライヤ…
  3. AIで副産物を高付加価値化|スペインのMOA Foodtechが…
  4. スウェーデンHookedが約6200万円を調達、2021年春にス…
  5. ドイツ大手小売業者REWE、同社初のビーガン専門スーパーを開設
  6. おがくずから代替油脂を開発するÄIOが約9.9億円を調達、デモプ…
  7. 代替マグロ開発中の米フードテックKuleana、年内に全米へ代替…
  8. BioBetterはタバコ植物を活用して培養肉用の成長因子を開発…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

米サラダチェーンSweetgreenが自動レストランをオープン

アメリカのサラダ専門チェーンSweetgreenは今月10日、同社初の自動レスト…

米培養肉UPSIDE Foodsが世界で初めてFDAの安全性認可を取得、上市に向けて躍進

アメリカの培養肉企業UPSIDE Foodsは16日、アメリカ食品医薬品局(FD…

マクドナルド、ビヨンドミートと開発した植物性マックナゲットをドイツで発売

マクドナルドはビヨンドミートとの提携を通じて、ドイツのマクドナルド1400店舗で…

福井大学、凍み豆腐にヒントを得た培養肉用の可食性足場を開発|海外でも進む大豆由来の足場研究

福井大学の研究チームは、培養肉の大量生産に向けて、可食性の多孔質足場を開発した。…

ユニリーバ、精密発酵アイスクリームをBreyersブランドで発売|パーフェクトデイのホエイを使用

食品・日用品大手のユニリーバが精密発酵に参入した。今月22日、ユニリーバ…

培養カカオを開発するCelleste Bioが約6.8億円を調達|培養カカオに取り組む6社まとめ

培養カカオを開発するイスラエル企業Celleste Bioは今月、シードラウンド…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP