代替プロテイン

FORZA10がBene Meat Technologiesの細胞性食品を使ったドッグフードを発表|EU初の商用化へ

出典:Bene Meat Technologies

30年以上の歴史を有するイタリアのペットフードメーカーFORZA10は今月、チェコ企業Bene Meat Technologiesの細胞性食品を使用したドッグフード「Coolty Meat」を発表した。ドイツで今月12~15日に開催されたInterzoo 2026で披露した。

同製品は細胞性食品(培養肉)を使用した犬向けのウェットタイプで、製品全体に細胞性食品を26%含む。販売が開始されるとEU初の細胞性ペットフード製品となる。

Green queen報道によると、2026年第3四半期に小売販売が開始される見込みとなる。

細胞性食品を26%配合したドッグフード

出典:Bene Meat Technologies

FORZA10はドライフード・ウェットフードで犬猫向けのペットフードを開発する大手企業の一つ。2021年にフランスのBab’inグループに買収され、現在は欧州、北米、南米、アジアの20ヵ国以上で事業を展開している。

現在、FORZA10の公式サイトにはCoolty Meatの専用ページがある。

それによると、Coolty Meatは小型げっ歯類ネズミ科)の細胞を使用している。小型げっ歯類由来のタンパク質は肉食動物にとって理想的な栄養組成を有しているという。犬を対象とした嗜好性試験では、受容率は9割長期的な受容率は10割嗜好性では9割という結果が得られたとしている。

FORZA10は自社製品に細胞性食品を採用した理由として、食物アレルギーに対する解決策となること、消化吸収率が高いこと、何が含まれているかを明確に管理できる点を挙げている

2020年設立のBene Meat Technologiesは当初、ヒト向けとして細胞性食品の開発・商用化を目指していた。開発の過程でペットフード市場に培養肉の大きなチャンスがあることに気づき、細胞性ペットフードにシフトした

今年4月には工業規模の細胞性食品生産に関するLCA論文を発表した。論文では、日産400〜600kg規模の生産施設を想定し、主要原料やエネルギー源を最適化した場合、従来の鶏肉を下回る環境負荷となる可能性が示されている

同社は2023年11月に欧州飼料原料登録簿EU Feed Materials Register)への登録を発表した

Bene Meat Technologiesのほか、BioCraft Pet NutritionUmami Bioworksの二社もEUでペットフード用途での細胞性食品の登録を完了している。

出典:Meatly / Pets at Home

一方で、イギリスでは当局の承認という形で、英Meatlyが2024年に細胞性ペットフードの認可を取得し、2025年2月に限定販売している。

このほか、オーストラリアのMagic Valleyは今年3月、細胞性豚肉を使った犬用おやつ製品を販売し、シンガポールでは米Friends & Family Pet Foodが細胞性ウズラを6割以上使用したペットフードを先月発売している。

2025年2月のMeatlyの世界初販売から、オーストラリア、シンガポールで販売事例が出ている。Bene Meat Technologiesが年内に小売販売へ進めば、細胞性ペットフードの販売地域は、イギリス、オーストラリア、シンガポールに続き、EUにも広がることになる。

同社はさらに、アメリカ食品医薬品局(FDA)にも安全性資料を提出済みで、イギリスやシンガポールでも規制プロセスを進めている。細胞性ペットフードの商用化がEU、さらにアメリカへ広がるか、今後の動向が注目される。

 

※本記事は、リンクトインの投稿をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Bene Meat Technologies

 

関連記事

  1. 英培養肉企業Ivy Farmとバイオテック企業BSF Enter…
  2. スペイン、学校給食にヴィーガン選択肢を義務化|2026年4月から…
  3. 動物を殺さずに動物性脂肪を開発する英Hoxton Farmsが約…
  4. ドイツのVeganz、シート状のオーツミルク製品「Mililk」…
  5. ベルギーのPaleoがペットフード業界に参入|精密発酵ミオグロビ…
  6. 分子農業パイオニアの英Moolec Science、SPAC経由…
  7. 米SCiFi Foodsが培養牛肉の最初の商用生産を完了、来年培…
  8. Remilk、イスラエルで精密発酵タンパク質の認可取得が間近

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

ロボットハンバーガー店のCreatorがリニューアル、「パーソナライズ化」を導入

2018年にサンフランシスコにオープンし、話題となったロボットレストランCrea…

ドイツのAlife Foodsがアニマルフリー培養培地を用いて培養シュニッツェルを開発

ドイツのフードテックスタートアップAlife Foodsは、欧州のスパイス大手F…

ソーラーフーズが約13億円を調達、来年前半に商用工場Factory 01を稼働

二酸化炭素と微生物を活用して代替タンパク質ソレインを開発するソーラーフーズ(So…

消費者庁、細胞性食品の安全性確保ガイドライン案を初公表|国内販売に向けた制度整備が前進

インテグリカルチャーのアヒル細胞由来の細胞性食品 Foovo(佐藤あゆみ)撮影5月28日に開催さ…

Yコンビネーターが支援する米培養肉企業Orbillion Bioは高級肉開発で差別化を図る

培養肉スタートアップ企業Orbillion BioがYコンビネーターのWinte…

アレフ・ファームズがアジアへの培養肉導入加速に向けてタイ・ユニオン、CJ第一製糖と提携

イスラエルの培養肉企業アレフ・ファームズが、アジアの食品大手2社と基本合意書(M…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート・予約注文開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP