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Magic Valley、細胞性豚肉入り犬用おやつをオーストラリアで発売|苦境下で初販実績示す

 

オーストラリアの細胞性食品スタートアップMagic Valleyが今月、細胞性豚肉入りの犬用おやつブランド「Rogue Pet」を立ち上げた。

販売サイトでは、細胞性豚肉、オーツ麦、リンゴ、ビール酵母、サツマイモを使った「Rogue Pet Training Bites」を50g・14.95オーストラリアドルで販売。初回分はすでに完売し、第2弾の発売を近日予定している。製品中の細胞性豚肉の割合は公表されていない。

Foovoの調査では、細胞性ペットフードでは英Meatlyに続く販売となる。Meatlyが大手ペット小売チェーンの店頭で販売したのに対し、Magic ValleyはEC販売で自社ブランドを市場投入した。

平坦ではなかった6年を経て、初販売を実現

出典:Magic Valley

オーストラリアでは人向けの細胞性食品は、FSANZによる正式な食品認可が必要になる一方、ペットフードはそれとは別の枠組みで扱われており、オーストラリアペットフード産業協会(PFIAA)によるペットフードの製造・販売に関する任意規格AS5812や、州レベルのルールのもとで流通している。

Magic ValleyもGreen Queenのインタビューの中で、オーストラリアのペットフード向けの枠組みの中でRogue Petを販売していると説明している。

創業者兼CEO(最高経営責任者)のPaul Bevan氏は今月のリンクトイン投稿で、今回の発売について「細胞性食品は概念として好かれているだけではなく、製品が適切なら消費者は実際に支持することを示しました」とコメント。さらに、製造、梱包、出荷、フィードバック、改善という経験を積む機会になり、最終的にはMagic Valleyの人向け細胞性食品事業の拡大にもつながるとした。

一方で、過去6年は失敗した実験、遅い進捗、厳しい資本環境、苦渋の決断が続く平坦ではない道のりだったとも振り返っている。今回の発売は、そうした苦しい時期を経ても前に進んできたことを示す、小さくても見える実績と言える。

Magic Valleyは2020年設立。2022年にはウシ胎児血清(FBS)不使用の細胞性羊肉プロトタイプ、2023年にはFBS不使用の細胞性豚肉を開発し、2023年11月にはCoLabsのパイロット施設への拡張で3,000L、年産最大150トン規模への拡大計画も発表してきた。

2025年3月には、バイオリアクター最適化に向けてオーストラリア政府の産業成長プログラムから10万豪ドル(当時約940万円)の助成金も獲得している。

各社は周辺市場から商用化を模索

出典:Magic Valley

Foovoの認識では、実際に販売まで確認できた細胞性ペットフードでは、Meatlyに続く事例となる。昨年夏にシンガポールで認可を取得したFriends & Family Pet Foodの販売はまだ確認できていない。

Meatlyも2025年2月にロンドンのPets at Homeで「Chick Bites」の限定販売から始めており、当時の発表では今後3〜5年かけてより広く展開を目指すとしていた。

Magic Valleyも現時点では限定販売であり、細胞性ペットフードはまだ継続的な大量販売の段階には入っていない。それでも、研究開発から、実際に売って消費者の反応を確かめる段階に進んだことが重要だ。

Magic Valleyのような横展開は、インテグリカルチャーが化粧品用途を先行させた戦略とも通じる。アメリカで2023年に販売を実現したUpside Foodsも培地に特化したライフサイエンス部門を立ち上げるなど、横展開を進めている。

2025年の代替タンパク質投資額は8億8,100万ドル(約1,404億円)と前年比で約2割の減少となった。細胞性肉・シーフード分野の投資額は2019年以来で初めて1億ドルを下回り、7,400万ドル(約118億円)となった。

資金調達が縮小するなか、従来の人向け細胞性肉の認可取得を待って上市するモデルだけでなく、ペットフード、化粧品、ライフサイエンスなど、各社は複数の商用化ルートを模索している。Magic Valleyの今回の発売は、そうした細胞性食品分野で見られる戦略転換の新たな事例といえる。

 

※本記事は、リンクトイン投稿をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

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アイキャッチ画像の出典:Magic Valley

 

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