アップサイクル

フィンランド企業Solar Foodsの「ソレイン」、米国で初の消費者向け製品のオンライン販売開始|今夏に全米展開目指す

出典:Solar Foods

フィンランドのSolar Foods(ソーラーフーズ)による、二酸化炭素を原料とした代替タンパク質「ソレインSolein)」の消費者向け展開が、アメリカで試験販売の段階に入った。

同社は6月2日、スポーツ栄養・サプリメント企業Ambrosia Collectiveがソレインを使ったプロテイン粉末の試験販売をアメリカで開始したと発表した

さらに6月5日には、アメリカのライフスタイル企業から、ソレインを使った消費者向け製品の開発を目的とする注文を受けたことも明らかにした。顧客名や数量などの詳細は開示されていない。

出典:Ambrosia Collective

今回販売されたのは、Ambrosia Collectiveのブランド「Planta」から発売されたプロテイン粉末「Planta Premium Plant Protein」。

味は塩キャラメル・コールドブリューで、1食あたり20gのタンパク質を含み、糖類は0g。Ambrosia Collectiveの公式サイトでオンライン販売されており、今夏には全米展開を目指すとしている。Amazonでは現時点で商品ページはないが、今月販売が開始されるという

ソーラーフーズはAmbrosia Collectiveからは2025年12月に注文を受けていた。1食分29.3gとして25食分で、販売価格は52.99ドル(約8,400円)。公式サイトにソレイン使用が明記されている(下記画像)。

出典:Ambrosia Collective

ソーラーフーズは今回の発売について、アメリカで消費者向けに販売された初のソレイン配合製品であり、世界初のソレイン配合プロテイン粉末だとしている。

ソーラーフーズは昨年11月、アメリカの栄養スタートアップFermenta、サプリメント企業Pothosと提携し、2026年第1四半期にソレイン配合のプロテインバーと粉末を数量限定で販売する計画を発表していた

これらの販売はまだ確認されておらず、今回最初に市場に出たのはAmbrosia Collectiveの製品となったが、ソーラーフーズはアメリカで健康・パフォーマンス栄養市場を重点領域とし、複数の顧客と契約を締結していると説明していた

今回発表された新規受注は、複数企業でソレインの採用が広がり始めたことを示す動きといえる。

出典:Solar Foods

ソレインは、微生物を空気と電気で成長させて生産される代替タンパク質で、生産プロセスではXanthobacter sp. SoF1という水素細菌を使用している。

ソーラーフーズは乳製品や卵黄など従来のタンパク質を置き換える用途を想定している。ソレインは9種類の必須アミノ酸に加え、食物繊維を10%含むほか、植物タンパク質に不足しがちな鉄分やビタミンB12も含んでいる

同社はこれまで、シンガポールでアイスクリーム月餅チョコレート中華料理コーヒー飲料など、外食やポップアップの形でソレインの市場投入を進めてきた。一方、アメリカではレストランで限定販売の実績はあるものの、現在はプロテイン粉末やプロテインバーなど、日常的に摂取される健康・栄養食品から展開する方針が鮮明だ。

同社はまた、シンガポール、アメリカに加え、欧州での商用化も目指している。

EUでは2022年2月に新規食品申請を提出しており、現時点(2026年6月10日時点)では欧州当局によるリスク評価期限は2026年7月25日とされている(上記画像)。英国食品基準庁(FSA)でも2021年11月に新規食品の申請が受理されており、現在、リスク評価中となる。

同社は現在、初の工業規模生産施設となる「Factory 02」の設計を進めている。建設地はフィンランド・ラッペーンランタを選定済みで、今後は投資判断前の最終設計段階へ進む。初期生産能力は年産3,200トンで、2028年末の稼働を見込む

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Solar Foods

 

関連記事

  1. イスラエルの培養肉・代替肉企業6社まとめ
  2. 代替肉のネクストミーツが新潟に代替肉の自社工場を建設、2022年…
  3. オランダのViviciが精密発酵ホエイの生産プロセスをスケールア…
  4. 牛を使わずにモッツアレラチーズを開発する米New Culture…
  5. 細胞性食品セミナー動画・資料【2025年11月開催】
  6. 乳製品生産の再考|牛に頼らず細胞培養でミルクを開発するドイツ企業…
  7. 世界初!米Biomilqが細胞培養でヒトの母乳を体外で作製するこ…
  8. 米AQUA Cultured Foodsが代替シーフードでGRA…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

イスラエル大手食品会社Tnuva、代替タンパク質特化のR&Dセンター設立へ

イスラエル大手食品会社Tnuva(ツヌバ)は代替タンパク質分野の取り組みを強化す…

コオロギタンパク質を生産するエントモファームズが約3億円を調達

コオロギタンパク質粉末を開発するEntomo Farms(エントモファームズ)が…

米培養肉Upside Foods、培養肉用のアニマルフリーな増殖培地を開発

アメリカの主要な培養肉企業Upside Foods(旧称メンフィスミーツ)はアニ…

ChickPがひよこ豆由来のクリームチーズ、チェダーチーズを開発

イスラエルのフードテック企業ChickPは、ひよこ豆タンパク質粉末からクリームチ…

6つの豆をベースに代替魚を開発する米Good Catchがシンガポールへ進出

6つの豆をベースに植物性の代替魚を開発する米Good Catchがシンガポールに…

国際イスラーム法学アカデミー、第26回総会で「培養肉は条件付きでハラール」と判断

2025年5月20日:更新カタール・ドーハで5月8日に閉幕した第26回国際イスラーム法学アカ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート・予約注文開始

最新記事

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP