リテール

ドイツ大手小売業者REWE、同社初のビーガン専門スーパーを開設

 

※当初、開設予定と記載していましたが、Vegconomistの最新報道をうけて、情報を更新しました(2024年4月14日)

 

ドイツの小売業者REWE Groupが、同社初となるビーガン専門のスーパーマーケットを開設した。

Supermarktblogの報道によると、この店舗は、ベルリン・フリードリヒスハインのヴァルシャウアー通りにあった、ビーガンに特化したVeganzのスーパーマーケット跡地に位置する。Veganzはこの地で長年にわたりスーパーを運営してきたが、メーカーへの業態変更により、ヴァルシャウアー通りの店舗を2023年12月始めに閉店した。

当時、Veganzはヴァルシャウアー通りにある店舗の売却に成功したと発表していたが、売却先は明らかにしていなかった。Supermarktblogの報道により、REWEが購入者であることが明らかになった。今月12日、Vegconomistが開設を報じた

ドイツ大手小売業者REWE、初のビーガン専門スーパーを開設

REWEが導入したビーガンデリ商品 出典:REWE

この店舗では2,700点以上のビーガン商品を取り扱うという。

REWE Groupはドイツ国内でスーパーやコンビニなど3700店舗を展開する大手小売業者の1つだ。ドイツ最大の小売業者はEDEKAグループで、ドイツに11,000店舗以上を展開するといわれる

REWEが専用のビーガンスーパーを開設したことは、日本でイオングループのマルエツマックスバリュが専用のビーガンスーパーを開設するようなイメージに近い。

REWE Groupはドイツの小売業者として初めて、スーパーにビーガンデリ商品を導入した企業の1つだ。2022年9月、同社はスーパーのセルフサービスカウンターにビーガンデリ商品を導入した。顧客の約2割が、セルフサービスカウンターでビーガン商品を望んでいるとの調査結果からの導入だった。

REWEはまた、オーストリアに約1300店舗を有するスーパーマーケットBILLA所有しているVegconomistの報道によると、BILLAはオーストリアの2か所でビーガン専門スーパーBILLA PFLANZILLAをオープンした。Supermarktblogによると1店舗はすでに閉店している。BILLAは既存の21店舗で植物由来食品の専門エリアも導入しており、ビーガン商品の導入に積極的だ。

Foovoでこれまで紹介してきたRevo Foodsのマイコプロテインを使用したサーモンや、Kern Tecが杏子など核果の種から開発した代替ミルク、Planet A Foodsの代替チョコレートなどはREWE系列のスーパーで取り扱われている。

REWEはこれまでの経験をもとに、新たな試みとしてドイツでビーガン専門スーパーを開設したのだろう。ビーガンに特化したスーパーVeganzの店舗を引き継ぐことは、この地域でVeganzを利用していた消費者を引き込めるメリットもある。

 

参考記事

REWE Inaugurates its First Fully Plant-Based Supermarket in Berlin

„Voll pflanzlich“: Rewe plant veganen Supermarkt in Berlin

Germany: REWE to Open First Vegan Supermarket in Former Veganz Store

 

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アイキャッチ画像の出典:REWE

 

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