出典:Kokomodo
イスラエル輸出機構(Israel Export Institute)が6日に開催したイベントに、イスラエル企業Kokomodoの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)であるTal Govrin氏が登壇し、同社の技術、ターゲット市場、現在の開発状況について発表した。
Govrin氏は、植物細胞培養により、わずか1粒のカカオ豆から年間1.5トンの培養カカオパウダーを開発できると述べ、Kokomodoが目指す市場や開発の進捗について語った。
数日で生産できる培養カカオ

出典:Kokomodo
Govrin氏は、培養カカオ開発の背景として、カカオ栽培が森林伐採や児童労働の要因となり、さらに気候変動の影響によりカカオの生産が危機に直面している現状を説明した。
2024年12月、カカオ価格は1万2,646ドルと当時過去最高値を記録し、2025年1月にはさらに高騰した。「20年後には、カカオ農地の大部分が生産に適さなくなると言われています」とGovrin氏は警笛を鳴らした。
Kokomodoは培養カカオを開発することで、供給の不安定さや重金属の微量混入、品質のばらつきといった課題の解決を目指している。最近の研究では、オーガニックダークチョコは、化学肥料や農薬を使用しない栽培方法で生産されているにもかかわらず、鉛やカドミウムなどの重金属含有量が高いという結果が報告されている。
従来のカカオ農業では、カカオの木が成長するまでに6年を要するが、Kokomodoの技術を用いることで、カカオ細胞を培養し、数日ごとに収穫することが可能となる。同社のプロセスは、高級カカオ豆を選別して研究室で培養、バイオリアクターで生産した後、食品用途に応じた加工を行うという4段階で構成されている。
1粒の豆から年間1.5トンの培養カカオパウダーを生産

出典:Kokomodo
関連記事
アイキャッチ画像の出典:Kokomodo