代替プロテイン

イギリスのマクドナルドが代替アイスクリームの試験販売を開始

 

マクドナルドがイギリスで代替アイスクリームの試験販売を開始した

チョコレートとストロベリーの2フレーバーで、6月12日から9月3日まで期間限定で提供される。

マックフルーリーのようにカップで提供される「Scoop」は1.59ポンドで、イングランド北西部の52店舗で提供される(取扱い店舗はこちら)。

Vegconomistの報道によると、マクドナルドがビーガンアイスクリームを販売するのはこれが初ではない。2022年、ドイツのマクドナルドがビーガンタイプのマックフルーリーを発売。ドイツでは現在も、ビーガンタイプのマックフルーリーマックサンデーの2製品を提供している。いずれもエンドウ豆タンパク質を原料にしている。

イギリスのマクドナルドがビーガンアイスクリームの試験販売を開始

出典:マクドナルド

ドイツで提供されるビーガンアイスクリームがエンドウ豆を原料にしているのに対し、イギリスのビーガンアイスクリーム「Scoop」は、ココナッツオイル、グルコースシロップなどを原料にしている。9月3日までの販売が成功すれば、来年、イギリス全土で発売される可能性があるという。

出典:マクドナルド

マクドナルドは「Scoop」の試験導入と同時に、ビーガン向けのフローズンデザート「McFreezy」も試験導入した。オレンジとマンゴー&パイナップルの2フレーバーで、ジュースをベースにした製品となる。「McFreezy」は北西部の187店舗とアイルランドの一部店舗で取り扱われており、こちらも9月3日まで提供される。

欧米で対照的なマクドナルドのビーガン化のあゆみ

出典:マクドナルド

マクドナルドは2023年末の時点で、115ヵ国に41,822店舗を展開する世界トップクラスのファーストフードチェーンだ。強固なブランド力、圧倒的な影響力、広範な展開地域から、ビーガン対応の取り組みが代替タンパク質業界から注目されている。

マクドナルドの店舗数を主要地域別にみると、アメリカは13,457、イギリスは1,436、ドイツは1,385、中国は5,903、日本は2,982と、アメリカが圧倒的に多い

そのビーガン化への取り組みは、アメリカと欧州とで対照的だ。

ビヨンドミートと共同開発したマックプラントは2021年にイギリス一部店舗で導入され、2022年にはイギリスとアイルランド全土の店舗に導入された。現在もメニューに導入されている。

ドイツでは2023年2月にマックプラントのバーガー・ナゲットが導入された。現在もドイツではメニューに導入されている。

出典:マクドナルド

一方、アメリカでは2021年に8店舗でマックプラントを試験導入、2022年1月に対象箇所を600店舗に拡大したが、同年8月に試験販売が終了していることが各メディアで報じられた。現在もアメリカではメニューに導入されていない。

ビーガンアイスクリームがイギリスで本格導入されるかは試験販売への反響による。成功すれば、イギリスに続き、ドイツ、オランダオーストリアなどマックプラントが本格導入される国でも導入される可能性がある。

 

参考記事

McDonald’s Trials Vegan Ice Cream in the UK

Vegan McFlurry: McDonald’s Rolls Out Dairy-Free Ice Cream in the UK

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:マクドナルド

 

関連記事

  1. スピルリナ由来の代替スモークサーモンを開発するSimpliiGo…
  2. インポッシブル・フーズの大豆レグヘモグロビンをEFSAが安全と判…
  3. 日本ハム、動物血清の代わりに食品成分で培養肉を作製
  4. 精密発酵のImagindairy、シードラウンドの資金調達を約3…
  5. 植物食品のゲームチェンジ:Motif FoodWorksが植物性…
  6. 【創業者インタビュー】精密発酵でヒト母乳タンパク質を開発するPF…
  7. 培養魚の米Wildtype、培養魚の試食ができるパイロット工場の…
  8. オランダ、培養肉の承認前試食の実施を認める 年内に試食会実施へ

おすすめ記事

【4/23】ポーランド企業Fresh Inset:ウェビナー開催のお知らせ|食品の鮮度を延長する最新技術

本セミナーは終了しました。▼セミナー動画はこちらからご覧いただけます。…

インポッシブルフーズが香港・シンガポールの食料品店で販売を開始、アジア進出を加速

インポッシブルフーズの植物性代替肉がアジアのスーパーに登場した。19日、香港とシンガポールの…

ゲノム編集で食・農業の変革を目指す米Pairwiseが新たな戦略を発表

ゲノム編集技術を活用して農産物を開発する米Pairwise(ペアワイズ)は先月、…

Fooditiveが精密発酵カゼインの工業生産の実現性を実証、欧州進出に向けて提携パートナーを探索

精密発酵でカゼインを開発するオランダ企業Fooditiveは試作製造が成功し、欧…

培養肉アレフ・ファームズ、安価でオープンな増殖培地の開発でWACKERと提携

イスラエルの培養肉企業アレフ・ファームズとドイツの化学メーカーWACKERは、培…

代替マグロの米Kuleanaが販路拡大、オンラインストアでの販売を開始

サンフランシスコを拠点に代替マグロを開発するKuleanaの製品が、オンラインで…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(09/11 15:52時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(09/11 02:11時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(09/11 05:54時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(09/10 21:51時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(09/11 13:50時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(09/11 01:08時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP