Foovo Deep

原料メーカーが動き始めた代替カカオ──CSM Ingredientsがキャロブ由来の代替カカオ「Nuaré」を発表

出典:CSM Ingredients

ベーカリー、高級ペストリー、アイスクリーム向けに原料を供給するルクセンブルクのグローバル企業CSM Ingredientsは今月13日、キャロブ(イナゴマメ)を用いた代替カカオシリーズ「Nuaré」を発表した

CSM Ingredientsはこれまでに、プラントベースやクリーンラベル向けの原料を専門とするイタリア企業Hi-Foodを2022年に買収し、さらに植物由来の卵削減ソリューション「Egg ’n Easy」シリーズを展開するなど、卵代替と植物性原料のポートフォリオを拡充してきたが、Foovoの調査では代替カカオ素材を発表するのは今回が初めて。

「Nuaré」は地中海原産の干ばつに強いキャロブを原料に開発したもので、ケーキコーティングアイスクリームコーティングマフィンケーキフィリングなどの用途を想定している。

国内外で加速する原料メーカーによる「見えない」代替

不二製油の代替カカオ素材「アノザM」 Foovo(佐藤)撮影

カカオ豆価格は今年1月には1トン1万75ドルの史上最高値を記録し、2023年以前と比べると依然として高水準にある。カカオ豆高騰への対応策として、コスト予測が可能で、継続的な供給を確保する手段として代替カカオを原料する動きが国内外で加速している。

カカオの代替では、明治ホールディングスLindtモンデリーズなど、大手食品会社が細胞培養によるカカオ開発に出資している。イオンも先月、国内でブロックタイプの代替チョコレートを発売した

こうした嗜好品としてのチョコレートを対象とした代替とは並行して、CSM Ingredientsのように、製菓や製パンなど見えにくい部分での代替も国内外で進んでいる。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:CSM Ingredients

 

関連記事

  1. メタン生成を阻害する飼料を精密発酵で開発するNumber 8 B…
  2. ドイツのBluu Seafoodが欧州で初めて培養魚製品を発表、…
  3. 精密発酵セミナー動画-2023年4月開催-
  4. パーフェクトデイの子会社The Urgent Companyがア…
  5. オランダの培養肉企業Meatableが培地の共同開発でDSMと提…
  6. 【参加レポート】第34回食品開発展2023年10月@東京
  7. 米Ayana Bio、植物細胞培養でカカオなどの生理活性物質の開…
  8. Calystaの単細胞タンパク質FeedKind、水産養殖への使…

おすすめ記事

世界初、ニホンウナギ由来の不死化脂肪前駆細胞株を樹立──“脂の乗った”培養ウナギに挑む|都産技研・北里大が新成果

出典:Establishment and characterization of spontaneo…

酵母由来ミルク「LIKE MILK」テスト販売開始──実際に飲んでみた【試飲レポート】

日本初の酵母由来の代替ミルク「LIKE MILK(ライクミルク)」のテスト販売が…

イスラエルのMarineXcell、独自の核初期化技術で細胞培養によるエビ、ロブスター、カニ開発に挑む【創業者インタビュー】

左からYosef Buganim教授、Leonardo Berezowsky氏、Gadi Lipin…

オランダのNoPalm Ingredients、酵母由来油脂のデモ工場建設計画を発表|2026年後半に生産開始へ

出典:NoPalm Ingredients酵母を用いた微生物発酵で代替油脂を開発するオランダのN…

家庭調理ロボット「Posha」、シリーズAで約11.6億円を調達──“プライベートシェフ”として全米展開へ

家庭向けキッチンロボットを開発する米Posha(旧称Nymble)は今月6日、シ…

植物性着色料を開発中のイスラエルフードテックPhytolonが約5億円の資金調達に成功

植物由来(プラントベース)の着色料を開発するイスラエルのフードテックスタートアップのPhytolon…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/18 16:15時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/19 02:55時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/19 06:24時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/18 22:16時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/19 14:16時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/19 01:34時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP