出典:GoodBytz
ドイツのロボットスタートアップgoodBytzは今年9月29日、同社のロボットキッチンを韓国の米軍基地に導入することを発表した。同社にとって軍事用途として初の導入となる。
先日、韓国の米軍基地でロボットキッチンが正式に稼働したことを発表した。
プレスリリースによると、2026年春には2台目の導入とあわせて、従来の供給体制では対応が難しい遠隔地のミッションに向けて新しく開発したコンテナ型ソリューションを披露する計画だという。
ドイツで導入を拡大するgoodBytzのロボットキッチン

出典:goodBytz
2021年創業のgoodBytzは1日に最大3,000食を提供可能なロボットキッチンを開発。導入箇所に応じて規模の異なる3種のロボットキッチンを展開している。最もサイズの大きいロボットの専用面積は12.75㎡で、1時間に最大150品の料理を調理できるという。
種類毎に24~42種類の材料が冷却保存され、選択されたメニューに応じてシステムが種類毎に分量を量り、最大8種類の料理を並行して調理する。容器を5つのゾーンに区分けして正確な盛り付け・飾り付けも行う。材料はあらかじめ適切なサイズにカットし、人が補充する必要があるが、注文から盛り付け、提供までロボットが担う。
goodBytzはこれまでドイツ国内で導入を拡大してきた。

出典:goodBytz
たとえば、goodBytzのロボットキッチンは、食品卸売業者のTransgourmetの社員食堂や、ローゼンハイムの外食サービス業者Bierbichlerの社員食堂に導入されている。
ドイツ、ハンブルクにあるテイクアウトレストラン「Z’amme」にも導入されており、ランチ・ディナーのテイクアウトに対応している。注文客は窓からロボットが作業する様子を見ることができるという。
2024年には、ケータリング大手Sodexoがテュービンゲン大学病院にgoodBytzのロボットキッチンを導入した。これによりレストランやカフェの営業時間外でも出来立ての温かい食事を食べられるようになった。今年には、ドイツのカイザースラウテルン・ランダウ大学へも導入された。
ドイツ紙WELTによれば、goodBytzはドイツ国内で、企業や病院に加え、Uber EatsやWolt向けのデリバリーサービスのキッチンでもロボットを稼働させており、2026年末までに稼働数を200台に増やす計画だという。
似た事例としては、オランダEatchが開発した1日最大5,000食を調理するロボットキッチンがある。同社は今年、ロボットで調理した冷凍食事の一般向け販売を開始した。

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国内でもテックマジックがコンビニやレストランへの調理ロボットの導入を拡大している。同社の自動パスタ調理ロボット「P-Robo」は2022年6月、東京・丸ビルの「エビノスパゲッティ」に導入された。今年には、チャーハンなど炒め調理に特化した「I-Robo 2」がコンビニに導入された。
Foovoの認識では、goodBytzのように複数の料理を同時並行で、注文から盛り付けまで行うロボットキッチンの事例は、世界的にも多くない。
とりわけ軍事施設という特殊環境における導入は、調理の標準化や人員不足への対応、災害・緊急時の食料供給の確保といった面で新たな価値を提示する可能性がある。地政学的緊張が高まるなか、今回の米軍基地への採用は、ロボットキッチンという技術がこれまでにない市場領域に広がる契機となるかもしれない。
※本記事は、プレスリリースおよびリンクトインの発表をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:GoodBytz






















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