代替プロテイン

ビヨンドミートが日本市場進出へ|U.S.M.Hと独占販売契約を締結

 

アメリカの代替肉企業ビヨンドミートが日本市場に参入する。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)は2日、植物由来代替肉を展開するビヨンドミートと同社製品「BEYOND MEAT」の日本における独占販売契約を締結したことを発表した

U.S.M.Hはまず、傘下のマルエツカスミマックスバリュでビヨンドミートの製品を使った商品を今年秋頃に販売開始する。U.S.M.Hは自社植物工場「THE TERRABASE」でサステナブル志向のレタス「Green Growers」を生産・販売しており、ビヨンドミートの製品を使った商品は、「Green Growers」ブランドで販売される。長期的には、外部への販路拡大も視野にいれているという。

U.S.M.Hは東京都、茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県、神奈川県に計527店舗(2022年9月2日現在)のスーパーを展開している。3月には、新しい提供価値の創造を目的としたオープンイノベーションプラットフォーム「AKIBA-Runway」を始動した。

このプラットフォームは独自の技術をもつスタートアップ企業等と連携・共創するオープンイノベーションプラットフォームの取り組みとなり、ビヨンドミートとの提携も「AKIBA-Runway」を通じて実現された

出典:ビヨンドミート

ビヨンドミートにとって日本市場参入の試みは今回が2回目となる。

2019年、三井物産によるビヨンドミートの商品を日本で販売するプロジェクトがあったが、この計画は取り止めとなった。ビヨンドミートで当時、最高事業成長責任者(CGO)を務めていたChuck Muth氏は、「今後、日本を含めより多くのアジアの国々で当社の画期的商品を提供できるよう期待しています」とコメントしていた。

2019年の時点では、国内で流通する代替肉はマルコメ、森永製菓のSEE THE SUN、大塚食品のゼロミート、モスバーガーのソイパティなど非常に限られていた。2020年からカゴメ、伊藤ハム、日本ハムなど食品メーカーも大豆ミート商品の販売を開始したほか、トップバリュ、ローソン、セブンイレブンなど小売も提供を開始。焼肉チェーン店の焼肉ライクでも代替肉を提供するなど、国内市場も活気を帯びるようになる。

国内における主要食品メーカーの代替肉参入の流れ 各社画像を使用してFoovo作成

代替肉の認知、普及ではアメリカ、シンガポールなど海外に劣るものの、3年前と比べると国内でも流通は拡大している。

当時、ビヨンドミートの日本参入中止の理由は明らかにされていないが、消費者の好みや売上など蓄積されたデータを有するU.S.M.Hによる導入、展開には期待感が高まる。

U.S.M.Hは商品発売にあわせ、カスミのBLΛNDE研究学園店で紹介イベントを実施するという。

 

参考記事

U.S.M.Holdings 米国ビヨンド・ミート社と独占販売契約締結のお知らせ

 

関連記事

アイキャッチ画像は各社画像を使用してFoovoが作成

 

関連記事

  1. 米Oobliが精密発酵による甘味タンパク質ブラゼインでGRAS認…
  2. バイオミメティクスに着想を得た代替肉企業Plantedが約19億…
  3. 大豆を使ってチーズを開発するNobell Foodsが約82億円…
  4. パーフェクトデイが約390億円を調達、今秋にアニマルフリーなクリ…
  5. Fazerがソレインを使用した世界初のチョコレートバーをシンガポ…
  6. GOOD MeatとADMが戦略的パートナーシップを締結、培養肉…
  7. GFIが「植物分子農業」を代替タンパク質の第4の柱として注目
  8. 精密発酵でカゼインを開発するMuu、韓国のロッテ精密化学とMOU…

おすすめ記事

精密発酵食品の現在地──卵白タンパク質・乳タンパク質・ラクトフェリン・甘味タンパク質の販売状況【Foovo独自レポート】

出典:Strive FREEMILKアメリカのスーパーマーケットに広く流通していた精密発酵ホエイ…

フードロスに取り組む米Apeel Sciencesが約274億円を調達

フードロスに取り組む米Apeel SciencesがシリーズEラウンドで2億50…

培養肉企業21社の生産工場・稼働状況まとめ-2022年11月時点-

2020年12月にシンガポールで培養肉が世界に先駆けて販売されてからもうすぐ2年…

植物分子農業でジャガイモから卵白タンパク質を開発するPoLoPo、SuperAAプラットフォームを発表

イスラエルの植物分子農業スタートアップPoLoPoは今月、遺伝子組み換えジャガイ…

牛に頼らず酵母で乳タンパク質を再現するフランス企業Bon Vivant

フランス、リヨンを拠点とするスタートアップ企業Bon Vivant(ボン・ビバン…

培養魚のB2B製造ソリューションの提供を目指すUmami Bioworks、年内にシンガポールで申請へ【創業者インタビュー】

世界のシーフード消費が増えるなか、絶滅の危機に瀕している魚種を細胞培養により開発…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(09/11 15:52時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(09/11 02:11時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(09/11 05:54時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(09/10 21:51時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(09/11 13:50時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(09/11 01:08時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP