代替プロテイン

Meati Foodsの菌糸体肉、全米のホールフーズ全店舗で発売

 

菌糸体由来の代替肉を開発する米Meati Foodsは先月、全米のホールフーズマーケットWhole Foods Market)全店舗でMeati製品の販売を発表した

小売展開の拡大により、「年末までに全国のオムニチャネル展開を達成する」目標に近づいたと同社はプレスリリースで述べている。

これにより、Meatiのクラシックカツレツクリスピーカツレツクラシックステーキカルネアサダステーキは、ホールフーズ全店舗の冷凍植物タンパク質コーナーで購入可能になる。

Meatiの菌糸体肉、ホールフーズ全店舗で発売

出典:Meati Foods

この発表は今春に実現した一連の小売拡大に続くニュースとなる。

Meatiは今年3月、スーパーマーケットチェーンSprouts Farmers Marketとの提携により全国的な小売デビューを実現した。5月にはスーパーマーケットチェーンMeijerとの提携を通じ、ミシガン州、オハイオ州、インディアナ州、イリノイ州、ケンタッキー州、ウィスコンシン州の全店舗(260店舗)で取り扱いを開始した

キノコの根に相当する菌糸体の95%を使って作られたMeati Foodsの製品は、完全なタンパク質であり、食物繊維、ビタミンB、鉄分、亜鉛など動物タンパク質に含まれる栄養素を豊富に含んでいる

ホールフーズマーケットで食料カテゴリー・マーチャントを担当するKara Maloney氏は、「ボルダーで昨年Meatiを初めて食べてから、差別化された高品質の菌糸体製品を店頭に並べることができて嬉しく思います」とコメントしている。

Meati、小売展開を拡大

出典:Meati Foods

Meatiが以前、商品化の主要ルートは食料品店を通じた販売になると述べていた通り、同社は着実に小売展開を拡大している。7月には60年の歴史を持つ大手二次卸業者DOT Foodsとの提携を通じて、全米5200の拠点で製品の提供を開始した

一部レストランでも製品を提供しており、間もなくプラントベースバーガーショップのNext Level Burgerでも提供を開始するという。

Meatiは今年1月、同社が「メガランチ」と呼ぶ工業規模の生産施設をコロラド州ソーントンで開設した。「メガランチ」の生産量は、アメリカ最大規模の農場で生産される肉の生産量に匹敵もしくはそれを上回るものになるという。今後は年間数億ポンドの生産能力となる「ギガランチ」の工場建設も計画している。

同社は最近、自社製品の健康上の利点について理解を深め、菌糸体の味、栄養、持続可能性の利点を活用した新製品の可能性を探るため、AI企業PIPAとの提携も発表した

植物性のミンチ肉を中心に始まった代替肉業界では昨今、Meatiのようにホールカット製品を展開するプレーヤーが増えている。ステーキ肉などのホールカット肉は食肉市場の85%を占めると言われており、米The Better Meat Co.、英Adamo Foods、イスラエルのChunk FoodsRedefine Meatなどの企業が確認されている。

 

参考記事

Eat Meati™ Availability Significantly Expands in 46 States with National Launch at Whole Foods Market

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Meati Foods

 

関連記事

  1. ImpacFatが世界で初めて培養魚脂肪の試食会を実施
  2. 米Clever Carnivore、0.07ドル/L培地や細胞株…
  3. 米培養肉Upside Foods、カリフォルニアに培養肉工場を開…
  4. Motif FoodWorks、分子農業でヘムを開発するためパー…
  5. 精密発酵で代替パーム油を開発するC16 Biosciencesが…
  6. 精密発酵企業Formoがバイオテック企業Brain Biotec…
  7. 植物性の全卵を開発するYo Eggが米国進出を実現、ビーガン落と…
  8. 米Checkerspot、微細藻類を活用したヒト乳脂肪類似体を開…

おすすめ記事

MicroSaltは通常の半分量で、同じ塩味を実現する画期的な塩「MicroSalt®」を開発

アメリカ人は1日平均3.4gの塩分を摂取しているといわれる。これはFDA…

培養脂肪を開発するMission Barnsが約26億円を調達、パイロット工場の建設へ

シリコンバレーを拠点とする細胞農業スタートアップのMission Barnsがシ…

ドイツのProteinDistillery、ビール酵母由来タンパク質の工場建設を開始

ビール酵母から代替タンパク質を開発するドイツのProteinDistillery…

イスラエル農務省が設立した培養ティラピアを開発する培養魚企業E-FISHient

イスラエルで新たに培養シーフード企業E-FISHientが設立された。イ…

雪国まいたけ、新製品「キノコのお肉」を発売|海外で拡大するキノコ由来の代替肉開発

新潟を拠点とするきのこ総合メーカーの雪国まいたけは先月18日、マイタケを使用した…

大手食肉加工のJBS、ブラジルで培養タンパク質の研究施設建設を開始

世界大手の食肉加工会社JBSが、ブラジルで培養タンパク質の研究開発センター「JB…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/28 16:18時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/28 02:58時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/28 06:32時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/28 22:20時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/28 14:19時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/28 01:38時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP