代替プロテイン

2025年の代替タンパク質投資額は8.8億ドルとGFIが報告、ピーク時の2021年比で約18%に縮小

出典:The Better Meat Co.

代替タンパク質分野への投資が減退している。

Good Food Institute(GFI)発表によると、2025年に代替タンパク質企業に集まった年間投資額は8億8,100万ドル(約1,360億円)となり、2024年の11億ドル(約1,700億円)から約2割の減少となった。

GFIのDaniel Gertner氏投資家向けニュースレターで、代替タンパク質への投資が減退した背景について、ベンチャーキャピタルがAIへとシフトし、気候テックやフードテックなど他の分野に向かう投資家の関心・資金余力が限られたと指摘した。

また、投資環境の厳しさにより、再編、買収、ポートフォリオの合理化などが加速した一方で、公的資金や慈善的資金などが民間資本を補完し、主要マイルストーンの脱リスク化とスケールアップに寄与したと指摘している。

培養肉・魚企業への投資、2019年以来の1億ドル未満

出典:GFI

カテゴリ別ではプラントベース企業4億5,000万ドル(約697億円)、発酵企業3億5,700万ドル(約553億円)、細胞性食品(肉・魚)企業7,400万ドル(約114億円)を調達し、プラントベースが前年を上回った一方、発酵・細胞性食品は前年比約50%近い縮小となった。

細胞性食品は2023年に2億3,000万ドル(約356億円)、2024年に1億3,900万ドル(約215億円)を集めたが、2025年は1億ドルに達しなかった。培養肉・シーフード企業への投資額が1億ドルを下回るのは2019年以来であり、投資が加熱していた2021年の13億ドル(約2,000億円)の約5%に縮小した

培養肉・シーフード企業で2025年に資金調達に成功した企業には、BlueNalu(1,100万ドル)、モサミート(1500万ユーロ)、SuperMeat(350万ドル)などがある。

また代替タンパク質投資全体では、2019年の10億ドル(約1,550億円)から2020年には31億ドル(約4,800億円)、2021年には50億ドルとなったが、2025年は8億8,100万ドル(約1,360億円)と、投資が加熱する前の2019年の水準を下回る結果となり、ピーク時の2021年と比べて約18%に縮小した。

出典:GFI

一方で、2025年のプラントベース投資額の上昇についてGreen queenは、投資額にはビヨンド・ミートのデットファイナンスによる1億ドル(約154億円)が含まれるとし、この調達がなければプラントベース分野の改善もわずかだった可能性を指摘している。

代替タンパク質で相次ぐ事業終了

出典:Meatable

2025年以降、代替タンパク質の全カテゴリにおいて複数の閉鎖事例が確認された。

細胞培養分野ではMeatableBeliever MeatsCellRevが事業を終了。発酵分野ではAQUA Cultured FoodsNovonutrientsBolder FoodsArkeonなどの終了が相次いだ。

プラントベース分野でも代替シーフードのHooked Foods、代替チーズのStockeld Dreameryなど、初期から活動してきたプレイヤーの終了が確認された。

また、Fork & GoodによるOrbillion Bio買収GourmeyVital Meatを買収してPARIMAを設立するなど買収事例も確認されたほか、FoodYoung LabsによるMeliBioの植物性ハチミツ技術・ブランド買収の動きもみられた。

資金調達環境がこのように変化する中で、短期的なマイルストーンを達成するのに十分な資金的余裕のある企業と、近い将来に資金制約に直面している企業との間の格差は広がったとGertner氏は指摘している。この乖離は2026年も続くと予想される。

一方で、インテグリカルチャーが2025年9月期決算で黒字化を発表するなど、厳しい投資環境下、非食品分野における製品・インフラ事業の収益化による新たな成功事例も確認される。

Gertner氏が「市場は、より無駄のない事業、よりターゲットを絞った商用化、そして短期的な需要に合わせた段階的なスケールアップを特徴とする段階に入りつつあります」と指摘するように、短期・長期の事業戦略の組み合わせが企業活動の行方を左右する局面になりつつある。

昨年末に資金調達を実施したHarmony Baby Nutritionのように、長期的には精密発酵による母乳開発を目指しつつ、短期的には精密発酵技術を使用しない製品で市場投入を目指す事例もその一つといえる。

Gertner氏によると、欧州に本社をおく代替タンパク質企業への投資が4億1,800万ドル(約657億円)と、北米企業の(3億4,000万ドル/約526億円)を2年連続で上回ったことについて、公的資金とエコシステム支援の違いを反映している可能性があるという。

一例として、ドイツのFormoがEUの投資支援プログラムの枠組みとして欧州投資銀行から3,500万ユーロ(約63億円)のベンチャーデットをうけた事例などがあり、2026年も重要な要素になるとの見方を示している。

 

※本記事は、GFIの投資家向けニュースレターをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

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アイキャッチ画像の出典:出典:The Better Meat Co.

 

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