Foovo Deep

オーストラリアのVow、南半球最大の培養肉工場をオープン

 

オーストラリアの培養肉スタートアップVowは、年間30トンの培養肉を生産できる同社初の工場を開設した。「Factory 1」と名付けられたこの工場はオーストラリア、ニューサウスウェールズ州シドニー郊外のアレクサンドリアに位置する。

Vowは100倍の培養肉を生産できる「Factory 2」の建設準備も進めており、「Factory 2」は2024年に稼働する予定だという。

Vow、南半球最大の培養肉工場をオープン

「Factory 1」のオープニングにはニューサウスウェールズ州財務相のMatt Kean氏が参加した。Vowによると、この工場は南半球では最大規模の培養肉工場になる。

畜産による温室効果ガス排出や土地利用がもたらす環境負荷を軽減するため、国内外で培養肉の開発が進んでいる。多くの培養肉企業は、牛肉、豚肉、鶏肉を開発対象としているが、Vowはカンガルー、アルパカ、ヤギ、スイギュウなど一般には食されない種の培養肉を開発している点で他社と一線を画している。

同社は一般に食される畜産肉が動物全体の0.02%に過ぎないことに着目し、これ以外の動物でもベストな食体験を実現できる可能性があると考えている。これまでに、ヤギ、豚、カンガルー、ウサギ、子羊、アルパカを使った料理のデモンストレーションを実施している。

Vowの共同創業者Tim Noakesmith氏は、「当チームは非常に美味しい最初の製品を開発しました。今、それを大規模に生産する能力があります。1ヵ月後に世界に向けて発表できるのが楽しみです」とコメントしている。

最初の製品は培養ウズラ肉か

カンガルー肉をつかったシュウマイ 出典:Vow

Vowの最初の製品は培養ウズラ肉になる可能性がある。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Vow

 

関連記事

  1. 米InnerPlantが自らSOSを出す植物 InnerToma…
  2. フィンランドの研究チームが細胞培養によるコーヒー生産に成功
  3. オランダのUpstream Foods、植物シーフード向上のため…
  4. 菌糸体由来のブロック肉を開発するMeati FoodsがD2C販…
  5. Mycorenaのパイロット工場、拡張により欧州最大のマイコプロ…
  6. 代替卵のイート・ジャストがアフリカ市場へ進出
  7. Evigence Sensorsが約23億円を調達、食品鮮度をリ…
  8. フランスのVital Meat、初の培養肉試食会をシンガポールで…

おすすめ記事

Avant Meatsがシンガポールに新しい研究施設・パイロット工場建設を発表

シンガポールにおけるフードテックが加熱している。シンガポールは昨年12月…

上海の培養肉企業CellXがパイロット工場を開設、年内に米・シンガポールで申請へ

上海を拠点とする培養肉企業CellXは今月、中国初の大規模なパイロット工場の完成…

植物性刺身を開発するOcean Hugger Foodsが復活|タイ企業Nove Foodsと提携して今年後半に海外展開へ

コロナウイルスにより一時は操業停止に追い込まれた植物性代替魚企業Ocean Hu…

Calystaの単細胞タンパク質FeedKind、水産養殖への使用で米国GRAS認証を取得

動物飼料や食品向けの微生物タンパク質を開発・製造する米Calystaは、同社の主…

CO2を原料にタンパク質開発する米NovoNutrients、カロテノイド生産のスケールアップへ

二酸化炭素、水素、微生物を活用して持続可能なタンパク質を開発する米NovoNut…

菌類由来の熱安定性に優れたビーガン着色料を開発するMichromaとは

アルゼンチンのMichroma(ミクロマ)は菌類を活用してビーガンな赤色着色料の…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(02/20 14:43時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(02/21 00:24時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(02/21 04:19時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(02/20 20:40時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(02/20 12:47時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(02/20 23:38時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP