アメリカ、コロラド州の主要な植物肉バーガーチェーンMeta Burgerは先月、米スタートアップ企業MeliBioと提携し、世界初の蜜蜂フリーな代替ハチミツをメニューに取り入れることを発表した。
コロラド州の消費者は今月、MeliBioの代替ハチミツを使用した料理を試せるようになる。
MeliBioは昨年、サンフランシスコやニューヨークのレストランで同社ハチミツの提供を開始した。昨年12月には、欧州最大の有機食品生産者の1つであるNarayan Foodsと協業して、2023年第1四半期に欧州の75,000店舗で製品を発売することを発表した。
コロラド州にMeiBioの代替ハチミツが導入されるのはこれが初となるが、代替ハチミツを使用したメニュー提供は2月の期間限定のようだ。
コロラド州の植物肉バーガー企業が米MeliBioの代替ハチミツをメニューに採用
受粉を担う蜜蜂は作物の栽培、成長に不可欠な存在だが、生息地の破壊、農薬の使用、気候変動によって蜜蜂個体数は減少の一途をたどっている。最近の研究によると、世界には2万種の野生・在来の蜜蜂がいるが、2006年から2015年にかけて特に急速に減少し、4分の3しか存在を確認されていない。
2020年に設立されたMeliBioは、精密発酵と植物生物学を活用することで、見た目、味、機能が従来のハチミツに匹敵する持続可能な代替ハチミツを開発している。
消費者は1月、Meta Burgerのサイトで3つのオプションから好きなメニューに投票する機会を得た。最も票を獲得した料理が今月、Meta Burgerの全店舗・オンラインで販売される。
Meta Burgerの共同創業者Michael Reeves氏は、「Meta Burgerは、おいしくてサステナブルな食品をより身近なものにしています。サステナブルでビーガンなハチミツを作り出した企業とコラボすることは私たちの使命と一致しています」とコメントしている。
代替ハチミツを開発するスタートアップ企業
畜産業による環境負荷を軽減するために国内外で数多くのフードテック企業が登場しているが、ハチミツに焦点をあてる企業は少ない。
合成生物学を駆使して本物のハチミツの再現に取り組んだ企業はMeliBioが初だが、昨年、オランダのFooditiveも精密発酵技術を使用し、カゼインタンパク質に加え、蜜蜂を使用しないハチミツ「Bee-free-Honey」の開発に取り組んでいることを発表した。
Fooditiveは代替脂肪から乳化剤、増粘剤、甘味料、代替塩などさまざまな製品の開発に取り組んでおり、今年始めにも「Bee-free-Honey」の試験を計画しているという。
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アイキャッチ画像の出典:MeliBio/Meta Burger