Foovo Deep

Imagindairyがイスラエルで精密発酵ホエイの認可を取得 - 販売を続ける大手企業の状況も紹介

2024年12月10日修正:後半のスライドを一部修正しました。

 

精密発酵で乳タンパク質を開発するイスラエルのImagindairyは今月、イスラエル保健省から精密発酵ホエイについて販売認可を取得した

認可が下りたのは、ホエイの1種であるβ-ラクトグロブリン。

Imagindairyは今年1月、アメリカ食品医薬品局(FDA)からβ-ラクトグロブリンについてGRAS認証を取得しており、イスラエルでの認可取得は同社にとって2カ国目の快挙となる。

イスラエルでは同国企業のRemilkが2023年4月に認可を取得しているが、イスラエルでの上市はまだ確認されていない。

イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領が昨年6月、GFIイスラエルが開催したイベントでImagindairyのクリームチーズとミルクを使用した料理を試食するなど、イスラエル国内での注目度は高い。2社目の認可がおりた今、今後のイスラエルでの上市に注目が集まる。

Imagindairy、イスラエルで精密発酵ホエイの認可を取得

出典:Imagindairy

酵母など微生物を「ミニ工場」として、動物に頼らずタンパク質など特定成分を生産する手法を精密発酵という。この領域では、乳タンパク質を開発する米パーフェクトデイ(Perfect Day)、イスラエルのRemilk、ラクトフェリンを開発するAll GTurtleTree、脂肪を開発するNourish Ingredients、コラーゲンのGeltorなど、80社以上の企業が登場している

2020年に設立されたImagindairyは、15年以上かけて開発された独自のAIプラットフォームを活用して、ホエイカゼインの開発に取り組んでいる。β-ラクトグロブリンの開発ではAspergillus oryzae使用。今年1月には、イスラエル国内の施設を買収し、発酵容量が10万Lを超えた

Imagindairyはダノンが最初に出資した精密発酵企業であり、以前の報道では、年内にアメリカで販売する予定だとされていた(まだ販売は実現していない)。

ダノンが上市でも協力した場合、ダノン傘下の植物性ミルクのAlproSilkなど、何らかのブランドにImagindairyの乳タンパク質が使用される可能性がある。大手の参入ではユニリーバが自社ブランドで今年、アイスクリームを発売した。ダノンがこれに続くと、精密発酵食品の市場拡大につながるものと期待される。

世界の精密発酵タンパク質認可状況

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Imagindairy

 

関連記事

  1. 二酸化炭素から動物飼料用のタンパク質を作るDeep Branch…
  2. New Cultureが世界で初めて精密発酵カゼインでGRAS自…
  3. 微細藻類からタンパク質を開発するBrevelがイスラエルに商用工…
  4. NotCoが約95億円を調達、食品業界向けのAIプラットフォーム…
  5. VEOSグループ傘下のベルギー企業Naplasol、マイコプロテ…
  6. 米The Better Meat Co.がマイコプロテイン由来の…
  7. Believer Meats、培養肉の生産拡大に向けてGEAと戦…
  8. Shiruが「見た目も挙動も動物油脂のような」植物性代替脂肪「O…

おすすめ記事

細胞を培養して代替母乳を開発するTurtleTreeが約6億3千万円を調達

このニュースのポイント●代替母乳を開発するシンガ…

食肉生産者を培養肉生産者に変えるドイツ企業Innocent Meatの「Clean meat as a service」

培養肉はクリーンミート、細胞培養肉とも言われ、動物を殺さずに食肉を生産する新たな…

ベゾス・アース・ファンド、ノースカロライナ州立大学に代替タンパク質センターを設立

写真出典:Andrew Steer博士 President & CEO, BezosEart…

菌糸体ベーコンを開発するAtlast Foodが社名をMyForest Foodsに変更、今秋に2工場を開設

菌糸体由来の代替肉を開発するアメリカ企業Atlast Foodは25日、社名変更…

牛乳の全成分を含んだ培養ミルクを開発するカナダ企業Opalia

カナダ、モントリオールを拠点とするOpalia(オパリア)は、ウシ胎児血清(FB…

イスラエルの培養肉企業Steakholder Foods、バイオ3Dプリンターの商用化に向けて加速

イスラエルの培養肉企業Steakholder Foods(旧称MeaTech)は…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(05/08 15:05時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(05/09 00:56時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(05/08 04:56時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(05/08 21:05時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(05/08 13:11時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(05/09 00:11時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP