アグテック

Leaft Foods、葉由来のルビスコタンパク質を使用したドリンクを米国・ニュージーランドで販売開始

出典:Leaft Foods

ニュージーランドのLeaft Foodsは2025年8月13日、葉由来のルビスコを配合した最初の消費者向けドリンク「Leaft Blade」のオンライン販売をアメリカ・ニュージーランドで開始したと発表した

インポッシブル・フーズも初期に使用を試みたルビスコ

出典:Leaft Foods

ルビスコは、すべての緑色の葉にみられる光合成関連タンパク質で、ケール、ほうれん草、アルファルファもやしなどに含まれる。地球上で最も豊富なタンパク質とされ、ホエイ、大豆タンパク質単離物と同等またはそれ以上の機能性を持つことが報告されているものの、複雑な抽出プロセスが課題とされていた

実際、代表的な代替肉企業インポッシブル・フーズも、初期の試作品に1年間、ルビスコを使用し、「他のタンパク質よりも機能性に優れている」と評価していたが、商業的に十分な量を生産できなかったため大豆へ切り替えた経緯がある

Leaft Foodsは、ルーサン(アルファルファ)などの窒素固定作物の葉から、人々が消化しやすい形でルビスコを分離、抽出する技術を開発した

こうして生まれた「Leaft Blade」には、5万枚の葉から抽出したルビスコタンパク質17gが含まれており、従来のタンパク質よりも最大6倍の消化性を持つという。

運動「前」に飲むルビスコドリンク「Leaft Blade」

出典:Leaft Foods

2019年設立のLeaft Foodsは、2021年にニュージーランド第一次産業省(MPI)から5年間のプログラムに800万ニュージーランドドルの資金提供を受けている

その後、パイロットスケールで抽出プロセスを検証し、2024年にはニュージーランドのカンタベリーにある約2700㎡(3万平方フィート)の商業規模のデモ施設に移転している。週に1トンのルビスコを生産可能とした。現在は、地域の複数農家と連携している

同社によれば、ルビスコは9種類の必須アミノ酸を含み、消化性に優れる

興味深いのは、多くのプロテイン製品は、運動後に補給するのが一般的だが、「Leaft Blade」は運動の20分前の摂取が推奨されていることだ

従来はタンパク質は運動「後」に摂取するものとされ、リカバリーや修復のために用いられてきた。しかし、Leaft Foodsはその考えを「時代遅れ」とし、激しい運動の前に体が燃料を必要とする点を指摘している。

同社によれば、強度の高いトレーニングを行うと筋肉は「ビルド」シグナルを発し、その効果は血中にアミノ酸がすでに存在しているときに最大化される。したがって、運動の20分前に摂取することで、筋肉の合成を後押しする重要な「アナボリック・ウィンドウ」を最適に活用できるという

アナボリック・ウィンドウとは、筋肉が栄養を取り込みやすい限られた時間帯を指す。かつては「運動直後の30分~60分」が強調されてきたが、近年の研究では、ウィンドウは運動前後を含めてより広い範囲で存在することがわかってきている

出典:Leaft Foods

Leaft Bladeは、消化性に優れ、必須アミノ酸を含むルビスコをドリンクに配合することで、パフォーマンスの始まりと同時に体を「準備完了」の状態へと導くことを狙っている。もちろん、運動中や運動後に「Leaft Blade」を補給することもできる。1日の摂取は3回まで。タンパク質以外に、カルシウムを150mg、鉄を7mgを含む

ルビスコのB2B供給に続く、初のD2C販売

出典:Leaft Foods

現在、オンラインで100mL入りを7本パック(34.99ニュージーランドドル)で販売している。出荷先は、ニュージーランドアメリカのみAgFunderの報道によれば、アメリカではGRAS自己認証を確認済みだという。

同社によれば、Leaft Foodsはすでに業務用にルビスコ原料をB2Bで供給しており、クライアント企業の用途に組み込む取り組みを進めている

同社は今回のドリンク発売を「ソフトローンチ」と位置づけ、ニュージーランド・アメリカ限定でオンライン販売を開始した。今後も、別の消費者向け製品を発売する計画であり、今回のドリンクは、ルビスコタンパク質の可能性を市場に具体的に示す第一歩といえる。市場の反応を確かめることで、潜在顧客層の需要を見極める狙いがあると考えられる。

なお、ルビスコを開発する企業にはオーストラリアのThe Leaf Protein Co.もある。同社は、ソルトブッシュ、ブロッコリーの葉など、18種類以上の植物からルビスコを抽出する技術を開発している

 

※本記事はプレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Leaft Foods

 

関連記事

  1. パーフェクトデイの子会社The Urgent Companyがア…
  2. NoMy Japan、日本甜菜製糖などから約2億円を調達|てん菜…
  3. 培養肉のコスト削減を目指すProfuse Technologyが…
  4. 味と価格の両立は「脂肪」から-米Mission Barnsが語る…
  5. Sophie’s BioNutrientsがクロレラ…
  6. ひよこ豆タンパク質粉末を開発するChickPが約9億円を調達
  7. 韓国の培養肉企業CellMEATが約4億7千万円を調達、培養肉の…
  8. 海藻由来の代替タンパク質を開発する米Trophic|大豆に代わる…

おすすめ記事

SJW Roboticsがアジア料理を作る自律型ロボットレストランの試作品を公開

カナダ、トロントを拠点とするSJW Roboticsは、アジア料理を作る完全自律…

ピザ組み立てロボットを開発するPicnicが約17億円を調達

ピザ組み立てロボットを開発するPicnicがシリーズAラウンドで1630万ドル(…

ソーラーフーズ、微生物タンパク質を使用したアイスクリームをシンガポールで発売

フィンランド企業ソーラーフーズは今月、二酸化炭素と微生物を活用して開発した代替タ…

英Ivy Farm、欧州最大の培養肉パイロット工場をオープン

イギリスの培養肉スタートアップIvy Farmが、培養肉のパイロット工場を正式に…

【10/16】現地レポート会:フィンランド&シンガポールにおけるフードテックの現状をご紹介

本セミナーは終了しました。たくさんのご参加、ありがとうございました!!セミナー動画はこちらか…

イスラエル発のChunk Foods、代替ステーキ肉で米国小売市場に参入

ホールカットの代替ステーキ肉を開発するイスラエル企業Chunk Foodsが、ア…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(01/11 16:32時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(01/11 03:15時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(01/11 06:49時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(01/11 22:34時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(01/11 14:32時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(01/12 01:56時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP