山﨑寛斗氏 出典:UMAMI UNITED JAPAN
日本発の代替卵スタートアップUMAMI UNITED JAPANは今月1日、東京電機大学と植物性原料を用いた卵機能の再現技術に関する共同研究を開始したと発表した。
さらに同日、東京バイオテクノロジー専門学校とも植物性代替卵素材の応用開発研究プロジェクトの始動を発表し、実践的な研究開発だけでなく人材育成を推進する体制を整えた。
東京電機大学との連携では、卵の機能を科学的に解明し、従来の代替卵では難しかった機能を植物原料で再構築した食品素材の開発を目指す。東京バイオテクノロジー専門学校とは、既存の代替卵素材を食品にどう生かせるかを検証し、応用開発と実装に向けた知見を蓄積する。
卵の機能再現を目指し、東京電機大学と共同研究

出典:UMAMI UNITED JAPAN
卵は、起泡性、乳化性、加熱凝固性、ゲル化といった多様な機能を持ち、菓子、パン、加工食品、畜肉加工品など幅広い食品の品質を支える、インフラ的な食素材の一つだ。
一方で近年は、鳥インフルエンザの流行や飼料価格の高騰を背景に、供給不安や価格上昇が世界的な課題となっている。植物性代替卵への期待は高いものの、卵が持つ複雑な機能性の再現は依然として大きな課題となっている。
今回の共同研究では、卵タンパク質の物性機能制御に関する技術を研究してきた東京電機大学理工学部生命科学系の半田教授の知見と、卵の機能に着目して代替卵の研究開発を進めてきたUMAMI UNITED JAPANの技術を融合する。
研究テーマとして、植物性代替卵の製造プロセス開発に加え、植物タンパク質を基盤とした代替卵素材の機能特性や、食品に添加した際の品質特性への影響を研究する。わかりやすい形での代替卵を目指すのではなく、食品加工で求められる機能そのものを解析・再構築することで、食品産業に新たな選択肢として提供したいと考えている。
UMAMI UNITED JAPAN代表取締役の山﨑寛斗氏は、「卵の機能を植物由来で再現することは、世界でもまだ十分に実用化されていない大きな技術課題です」とプレスリリースで述べ、半田教授との共同研究を通じ、日本発のフードテックとして新たな選択肢を世界の食品産業に届けたいとしている。
また、東京バイオテクノロジー専門学校とのプロジェクトでは、同社の植物性代替卵素材を使い、パン、菓子、加工食品など複数カテゴリで試作開発を進める。
乳化性、起泡性、凝固性など卵の持つ機能を食品加工の観点から評価し、植物性代替卵を食品にどう応用できるか、その可能性を検証する。同時に、成分分析や物性評価、加工適性評価を通じて実装に向けたデータを蓄積する。
卵の”見えない機能”を代替する

出典:バインミーバーバー 下北沢/UMAMI UNITED JAPAN
UMAMI UNITED JAPANは2022年設立。アレルギーや価値観、文化を超えて、誰もが同じ食卓を囲める社会の実現を目指し、山﨑氏とCTO(最高技術責任者)の大場國弘氏が創業した。原料にこんにゃくやきくらげなどを用いる。
同社が目指すのは、卵を主体としたオムレツやスクランブルエッグなど“見える商品”ではなく、熱凝固性・結着性・保水性・乳化性など見えない“機能”として使われる卵の代替だ。
2023年10月にはケンコーマヨネーズと共同開発した「まるでたまごのサラダ」を発売。荒川区の小学校ではアレルゲンフリーのプリンメニューに導入された。昨年12月には、下北沢のベトナム屋台「バインミーバーバー」で、同社素材を使用したメニューとしてヴィーガンエッグバインミー(上記写真)、ヴィーガンプリンが期間限定で発売された。海外でも複数大学での導入実績がある。
代替タンパク質の投資が減退する中、機能に着目した同社の代替卵技術は投資家の関心を集め、昨年10月には3億1,000万円を調達した。
山﨑氏は「卵は万能に見えて、実は機能がすごく分かれています。全部を一気に代替しようとすると難しいからこそ、細かく分解して、用途ごとに攻めていく必要があると考えています」と、昨年Foovoのインタビューで述べた。
東京電機大学との機能解明・再構築の研究、専門学校での応用研究を並走させることで、代替卵のさらなる実用化を目指している。
※本記事は、プレスリリース①・②をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから
関連記事
アイキャッチ画像の出典:UMAMI UNITED JAPAN





















































この記事へのコメントはありません。