ロボット

パスタを茹でて湯切りも行う家庭用パスタ茹で機|米Innovo Conceptsが米国特許取得

出典:Innovo Concepts

ボタンを押すだけで、水を沸騰させ、パスタを茹でてくれる卓上装置が家庭に登場するかもしれない。

米イリノイ州を拠点とするInnovo Conceptsは、水を沸騰させ、パスタを茹で、湯切りもできる卓上装置に関する米国特許を取得したことをリンクトインで発表した。

特許(US11478102B2)によると、この装置は水とパスタを入れて加熱し、調理後は容器下部の開口部から湯を排出できる構造で、ザルを使わずに湯切りまでできるよう設計されている。容器は取っ手のついた水差しのような形状を想定しており、コンロのない寮や兵舎、キャンプなどのアウトドア、簡易キッチンなどの環境を念頭に置いている

Innovo Conceptsは特許の中で、開発の背景として、高齢者や障害のある人など身体的な制約がある人には鍋に水を入れてコンロまで運び茹でる行為が難しいこと、絶妙な具合にパスタを茹でることが難しいこと、茹でた後の湯切りには火傷の危険があることを挙げている。

Innovo Conceptsはリンクトインで、この「カウンタートップ家電」について既存の家電メーカーに対してライセンスまたは共同開発パートナーを募集していると述べた。

同社は共同発明者のPatrick Tannous氏が、より簡単に、より安全かつ効率的なパスタ調理法の提供を目指して2013年に共同創業した。同社で最高商務責任者(CCO)を務めるのが、昨年事業を終了したバイオマス発酵企業AQUA Cultured Foodsの創業者Brittany Chibe氏であることも注目だ。

卓上型の麺ゆで機そのものは珍しくない。

たとえば、マルゼンは業務用の「電気自動ゆで麺機」や「電気卓上ラーメン釜」などを展開している。 

Innovo Conceptsの新しさは、省人化や自動化を目的とした業務用ではなく、家庭向けや寮、兵舎、小型アパートなど、より小規模なユーザーを対象として、「ゆでる・湯切りする」を効率化しつつ、調理時の安全性を高めようとしている点にある。

同社は「パスタは世界中で数十億人もの人々に消費されており、その市場規模は推定880億ドル以上にのぼります。そして現時点では、この特許が保護するような効果を持つ製品は店頭に並んでいません」とリンクトインで述べている。

家庭向けの製麺機は知られている一方、Foovoの認識では、麺を茹でて湯切りまで行う家庭向け専用機はこれまでになかった。Innovo Conceptsの技術が装置として市場に登場し、アウトドアに加え、高齢者、学生寮、兵舎などの小規模な生活空間向けの家電として受け入れられるか注目される。

 

※本記事は、リンクトイン特許公式サイトをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Innovo Concepts

 

関連記事

  1. オランダのEatch、ロボット調理による冷凍ミールの一般向け販売…
  2. 米Bowlton Kitchensの1時間に300の調理が可能な…
  3. 農林水産省が培養肉、CO2タンパク質生産、泡盛粕のアップサイクル…
  4. ドローンによる「空飛ぶ」果実収穫ロボットを開発したTevel A…
  5. 味の素、おいしい減塩に向けた「電気調味料」技術を開発
  6. 【参加レポート】第5回フードテックWeek:次世代型綿あめ製造機…
  7. スペインのRemy Robotics、ロボットによるバーチャルレ…
  8. VenHubが開発する完全自律型のスマートコンビニ

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

米Yali Bio、米国で今年後半に精密発酵ココアバターの小規模テスト販売を計画【創業者インタビュー】

精密発酵で生成したココアバターを用いたチョコレート試作品 出典:Yali Bio精密発酵を用いて…

セイバーイートが植物肉用3Dプリンターをアメリカの大学へ初導入

3Dプリンターで植物肉を開発するイスラエル企業セイバーイート(SavorEat)…

米ビール大手のモルソン・クアーズが植物性ミルク市場へ進出

アメリカ大手のビール会社であるモルソン・クアーズ(Molson Coors)は、…

Pairwiseがゲノム編集野菜を上市するためConscious Foods立ち上げを発表

ゲノム編集技術を活用して農産物を開発するアメリカのPairwise(ペアワイズ)…

政府、17の戦略分野で先行技術を指定|フードテック4分野では植物工場・陸上養殖を先行検討

第2回フードテックワーキンググループ冒頭で挨拶する鈴木憲和農林水産大臣/Foovo(佐藤あゆみ)撮影…

インテグリカルチャー、細胞農業用スターターキットを海外初販売|「勝手場」発のキットを海外4大学へ

Foovo(佐藤)撮影 2025年3月細胞農業の社会実装を目指すインテグリカルチャーは2025年…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovoセミナー開催のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP