代替プロテイン

米FUDI Protein、アルファルファ由来ルビスコを代替卵白原料に|Green Boy Groupが出資

CEO兼共同創業者のUdi Lazimy氏 出典:FUDI Protein

植物由来原料を扱うGreen Boy Groupは4月30日、アルファルファ由来のルビスコ(RuBisCO)タンパク質を開発する米FUDI Proteinに出資したと発表した投資額は明らかにされていない。

卵白代替を狙う、アルファルファ由来ルビスコ

出典:FUDI Protein

FUDI Proteinは、代替卵白原料としてルビスコタンパク質のB2B供給を目指すスタートアップで、2025年に設立された。

同社はアルファルファからルビスコタンパク質を抽出する独自プロセスを開発している。

公式サイトによると、アルファルファからルビスコを抽出した後、食物繊維やクロロフィル、微量栄養素を含む残ったバイオマスを飼料として農家に提供するモデルを想定している。

アルファルファを畑の近くで収穫・処理し、抽出後の副産物を地域の農家に還元する点を特徴としている。

この地域密着型かつモバイルな加工モデルにより、デンプンや食物繊維などの副産物を一定の価格で販売することが収益性の前提となる黄エンドウ豆や米などのタンパク質作物とは一線を画していると、プレスリリースで述べている。

かつてImpossible Foodsも着目したタンパク質

出典:FUDI Protein

ルビスコは、すべての緑色の葉にみられる光合成関連タンパク質で、ほうれん草、ウキクサ、アルファルファなどに含まれる

地球上で最も豊富なタンパク質とされ、乳化性、ゲル化性、起泡性などの機能性を持つことが報告されているものの、緑色のクロロフィルや苦味に関連する分子などを除去し、ルビスコを抽出・分離する工程が課題とされていた

代表的な代替肉企業インポッシブル・フーズも、初期の試作品に1年間、ルビスコを使用し、「他のタンパク質よりも機能性に優れており、ジューシーなバーガーを作ることができた」と評価していたが、大量生産に課題があったことから製品に採用しなかった経緯があるとされている

FUDI Proteinを率いるCEO(共同創業者)のUdi Lazimy氏は、代替卵や細胞性鶏肉で知られるイート・ジャストでサステナビリティと調達を担当していた経歴を有する。CTO(最高技術責任者)を務めるのは、海藻ベーコンで知られるUmaro Foodsを創業したAmanda Stiles博士だ。

ルビスコ商用化をめぐる企業の動き

ルビスコタンパク質を使用したパスタ 出典:The Leaf Protein Co.

ルビスコを開発する企業は複数ある。

Plantible Foodsは2026年2月、ウキクサ(lemna)由来の「Rubi Protein」について、アメリカ食品医薬品局(FDA)からGRAS通知に対する「質問なし」レターを受け取ったと発表した。同社によると、食品用途の単離ルビスコタンパク質でFDAのレターを得た初の事例となる。昨年には米テキサス州で商用生産施設の稼働を開始した

ニュージーランドのLeaft Foodsも、ルビスコの商用化を進めている。同社は2025年12月、Foodstuffs South Islandと提携し、ベーカリー製品で代替卵として同社ルビスコ「Leaf Rubisco Protein」を試験することを発表した

昨年8月にはルビスコ配合の消費者向けドリンク「Leaft Blade」のオンライン販売を開始し、今年2月にはPalmetto SuperfoodsがLeaft Bladeを配合したスムージー「Blade Smoothie」をメニューに加えた。日本での商用化に向け、ラクト・ジャパンとも提携している。

オーストラリアのThe Leaf Protein Co.は塩分濃度の高い環境下でも生育できるソルトブッシュをはじめ、18種類以上の植物からルビスコを抽出する技術を有している。

また、イスラエルのDay 8は、既存作物の未利用葉を原料にルビスコタンパク質を生産している。

ルビスコの単離原料とは異なるが、日本でもウキクサを植物性タンパク源として活用する動きがある。北海道大学発のFloatmealは、2024年に北海道のレストランに導入し、今年1月には、食品用途での供給を視野に、研究開発・生産を行う新拠点を愛知県で開設したと発表した

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:FUDI Protein

関連記事

  1. Prime Roots、米国スーパーのデリ売り場で存在感|小売店…
  2. Umami Bioworks、ペットフード用途で細胞性シーフード…
  3. 微生物・空気・電気からタンパク質を生産するソーラーフーズ、年内に…
  4. イスラエルのBELIEVER Meats、アメリカで世界最大の培…
  5. EUが出資するFEASTSが発足:欧州における培養肉・培養シーフ…
  6. 精密発酵ホエイ・カゼイン開発の最前線|精密発酵による乳タンパク質…
  7. 精密発酵ヘムで知られる米フードテック企業Motif FoodWo…
  8. イスラエル大手食品会社Tnuva、代替タンパク質特化のR&Dセン…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

香港グリーンマンデーの代替豚肉オムニポークが米国上陸

グリーンマンデーが今年後半にもアメリカ市場へ本格参入する。具体的には、グ…

ブラジル初の培養脂肪企業Cellva Ingredientsが約2億円を調達

南米初の培養脂肪企業Cellva Ingredientsがシードラウンドで650…

代替肉の「テスラ」を目指す上海の代替肉企業YouKuaiが約7.9億円を調達

「10年前にテスラが登場したとき、テスラは車を持つ人すべてをターゲットにはしていませ…

フィンランドのEnifer、マイコプロテイン「PEKILO」で米国GRAS自己認証を取得|米国で広がるマイコプロテインの認可

出典:Enifer(Iiro Rautiainen氏撮影)フィンランドのマイコプロテイン企業En…

代替母乳を開発するTurtleTreeがシリーズAで約34億円を調達

シンガポール、アメリカを拠点とする代替母乳企業TurtleTreeがシリーズAラ…

インドの代替卵企業Evo Foodsが約8900万円を調達

植物ベースの代替卵を開発するインド企業Evo Foodsがプレシードで6200万…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP