代替プロテイン

Amai Proteinsの精密発酵甘味タンパク質「sweelin」、シンガポールで認可取得|アジア展開へ

出典:Amai Proteins

イスラエル企業Amai Proteinsは先月25日、精密発酵で開発した甘味タンパク質「sweelin」について、シンガポール食品庁(SFA)の認可を取得したと発表した。これにより、シンガポールで食品と飲料にsweelinを使用できるようになった。

Foovoの認識では、シンガポールで精密発酵甘味タンパク質が認可されるのはこれが初。

今年2月にアメリカ食品医薬品局(FDA)から受領した「質問なし」レターに続くもので、アメリカに続きシンガポールでも、精密発酵甘味タンパク質の市場投入の道が開かれた。

Amai Proteinsが開発した「sweelin」は遺伝子組換え酵母Komagataella phaffii CBS 150005で生成した改変モネリン。砂糖の約3,000倍の甘さを持つとされるモネリンは、約45℃で変性するため、加工中に不安定であり、大量生産の食品市場には適さないとされてきた。

同社の論文によると、Sweelinは水溶液中で、95℃で10分間、80℃で30分間の加熱処理後も甘味が維持されるという。乾燥粉末状では120℃で5分間加熱しても甘味を保持するため、幅広い食品加工に適しているという。

少ない量で十分な甘みをもたらすものの、従来は食品加工に適していなかったモネリンを改良し、かつ、精密発酵で大量生産することで、砂糖の摂取削減につながることが期待される。

Amai Proteinsはsweelinについて安全性試験に加え、健康成人19名を対象に、血糖値・インスリン・GLP-1に影響を与えないことを確認した臨床試験も完了している。

アメリカおよびシンガポールで規制上の道が開かれたことで、今後の焦点は食品・飲料メーカーによる採用が広がるかどうかだ。

出典:Amai Proteins

アメリカでは昨今、合成着色料の排除や砂糖削減への関心が高まる中、企業が再配合で特に苦戦しているのは砂糖の削減だとされる。砂糖には甘さだけではなく、保水性や起泡性、食品の保存性向上、デンプンの老化防止といったさまざまな機能がある。

そのため、sweelinが代替砂糖として広く採用されるには、甘味や熱安定性だけでは不十分だ。sweelinが最終製品の味や物性をどこまで維持できるか、また他の原料との組み合わせで砂糖の機能をどこまで補えるかが、食品・飲料メーカーの導入を左右することになるだろう。

Sweelinの市場投入は公開情報からはまだ確認できていない。今後、商用活動を加速し、シンガポールおよびアジア太平洋地域の食品・飲料メーカーとの連携を広げていくとしている。アメリカでは「Serendipity Berry Sweet Protein」と表示できるという。

精密発酵による甘味タンパク質開発では、先行する米OobliがブラゼインとモネリンでFDAからレターを受領しているほか、デンマークのTasiraは、耐熱性や味を改良したブラゼイン開発に取り組んでいる。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Amai Proteins

 

関連記事

  1. かつて年間8,000トンを生産──忘れられたマイコプロテインPE…
  2. 培養肉を日常の食卓へ──調理に焦点を当てた料理本『A Scien…
  3. SavorEatがパーソナライズ化された3Dプリント植物肉バーガ…
  4. トマトで代替マグロを開発するスペイン企業Mimic Seafoo…
  5. 牛に頼らず酵母で乳タンパク質を再現するフランス企業Bon Viv…
  6. 3Dプリンター肉のSavorEatが代替卵に特化したスタートアッ…
  7. ビールの醸造で発生する廃棄大麦をアップサイクルするReGrain…
  8. 大豆を使ってチーズを開発するNobell Foodsが約82億円…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

培養魚企業ブルーナル、回転ずしチェーン「スシロー」を展開するフード&ライフカンパニーズと提携

写真はイメージ画像(ロゴは各社より引用)クロマグロ、ブリなどさまざまな培…

韓国政府、2022年の国家計画に培養肉のガイドラインを追加

韓国の食品医薬品安全処が、国家計画に初めて代替タンパク質に関するガイドラインを盛…

フィンランドの研究チームが精密発酵による代替卵白の開発に成功

フィンランドの研究チームは精密発酵技術により、動物を使うことなく卵白タンパク質の…

培養油脂のPeace of Meatと英ENOUGH、マイコプロテインを使った培養ハイブリッド肉の開発で提携

イスラエルの培養肉企業MeaTechは19日、傘下の培養油脂を開発するベルギーの…

米Wild Earth、2023年に細胞培養によるペットフード製品を市販予定

細胞培養で代替ペットフードを開発するWild Earthは先月、細胞由来のミート…

代替エビを開発するNew Wave Foodsが約18億円を調達、3月末までに飲食店で提供予定

植物ベースの代替魚開発に取り組むNew Wave Foodsが、シリーズAラウン…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP