出典:デニーズ
デニーズは今月、大豆ミートの提供を終了した。デニーズ公式サイトの「大豆ミートハンバーグ」ページには現在、終了したことが表示されている。
デニーズは2021年5月から大豆ミート「ゼロミート」をメニューに採用。スターゼン、大塚食品と1年以上の試行錯誤を重ねて、メニュー化に至った。2022年9月には、健康や環境に配慮したメニュー提案として、定番ハンバーグ5種類を+50円で大豆ミートのハンバーグに変更できる取り組みを開始していた。

デニーズのゼロミート 2024年6月/Foovo佐藤あゆみ撮影
大手外食チェーンとして大豆ミートを5年にわたり採用してきたデニーズだが、今月10日のメニュー刷新で、大豆ミートがメニューから消えた。
新たなブランドコンセプトとして「Denny’s × Wellness」を掲げ、野菜を美味しくバランスよく食べられるメニューや、麺・トッピング・ドレッシングを選べるカスタマイズを強化しているが、プレスリリースで大豆ミートやゼロミートへの言及は確認できない。
バーガー・カフェチェーンでも分かれるプラントベースの対応

Foovo作成
ハンバーガー・カフェチェーンでも、プラントベース対応は各社で異なる。
フレッシュネスバーガーは2020年から牛肉を使わない大豆パティ使用のハンバーガーを販売(下記写真)し、2022年にはビーフパティバーガー5種類を無料で大豆パティに変更できるようにした。2023年にも同様に、レギュラーバーガー5種類を対象に無料で大豆パティへ変更可能と案内していた。

大豆ミートを使ったフレッシュネスバーガー(2021年7月/Foovo佐藤あゆみ撮影)
ただし、現在の公式メニューには、ソイパティ使用商品の表示は確認できない。
一方、モスバーガーはプラントベース商品を継続している。
モスバーガーは2015年3月に「ソイ野菜バーガー」を期間限定で発売した。発売から約3週間で当初目標の30万食を突破し、同年5月から定番商品として主力8商品でソイパティを選択可能にした。2026年5月には、主要原材料に動物性食材を使わない「米粉入りバンズのアボカドバジルバーガー」を発売し、同時にソイパティシリーズも6年ぶりにリニューアルしている。
バーガーキングは2020年に、大豆を用いた100%植物性パティを使用した「プラントベースワッパー」(下記写真)を期間・数量限定で発売したが、現在の日本公式メニュー上では同商品や代替肉バーガーは確認できない。

バーガーキングの「プラントベースワッパー」 2021年1月/Foovo佐藤あゆみ撮影

バーガーキングの「プラントベースワッパー」 2021年1月/Foovo佐藤あゆみ撮影
海外のマクドナルドでは、McPlantなどの植物性バーガーを展開した市場もあるが、日本マクドナルドでは代替肉を採用した動きは確認できていない。
カフェチェーンでは、ドトールコーヒーショップが大豆ミートのメニューを継続している。
ドトールは2020年に「全粒粉サンド 大豆ミート ~和風トマトのソース~」を発売し、2021年には大豆ミートを使った全粒粉サンドをリニューアルした。現在の公式メニューには、「ホットサンド 大豆のミート ~チーズ&トマト~」が掲載されている。
同じドトール系列のエクセルシオール カフェでは、2021年4月に大豆ミートを使ったベーグルサンドを発売した。公式サイトの商品ページには現在も掲載されている。
スターバックスでは、2022年にプラントベース食品を拡充し、大豆を使ったソイパティなどを使用したメニューを発売していた。現在の公式メニュー上では、ソイパティなどを使用した商品は確認できず、一部のデザートやベーグルで豆乳やひよこ豆を使用した植物性クリームチーズを使用している。
英国・ドイツでは複数の代替メニューが定着

出典:モスバーガー
海外でも大手外食チェーンの通常メニューとして継続される事例がある。
たとえばイギリスのマクドナルドでは、ビヨンドミートと共同開発した植物性パティを使う「McPlant」が現行メニューに掲載されている。
イギリスのKFCのメニューには、Quornのマイコプロテインを使った代替バーガーが掲載されている。2020年1月に販売が開始された。
イギリスのバーガーキングでも、Plant-Based Whopperなど複数の植物性メニューが確認できる。
ドイツではバーガーキングが2021年に4日間限定で、植物肉だけを取り扱う店舗をオープンした。現在、ドイツのバーガーキングでは複数のプラントベース商品が公式メニューに掲載されている。
GFIは最新レポートの中で、植物肉は従来肉に比べ、味や価格で課題があり、市場に「まだ根を張り始めた段階」だとしている。
温室効果ガス削減や食の選択肢拡大に向けて、植物肉には期待が寄せられているが、国内の外食チェーンでの普及はまだ途上といえる。
国内外食チェーンのプラントベース対応は、モスバーガーの2015年、ドトールの2020年、デニーズの2021年と、早期から取り組む動きがみられた一方で、現在は、各社が継続を見極める段階に入っているといえる。

出典:デニーズ
デニーズは約300店舗規模のファミリーレストランチェーンとして5年にわたり大豆ミートを採用してきたが、今回メニューから姿を消した。
一方で、国内で約1,300店舗を展開するモスバーガー、1,000店舗以上を展開するドトールが、大豆ミートの提供を継続している意味は小さくない。こうした一定の店舗数を持つ外食チェーンの継続は、国内市場にとって前向きな兆しともいえる。
また、完全な代替肉メニューではないものの、規模の大きいチェーンで大豆ミートを期間限定で取り入れる動きもある。
すき家は2025年5月末に、鶏・豚の合い挽き肉に大豆ミートを組み合わせた「スパイシーキーマカレー丼」を夏季限定で発売し、今年4月にも同商品を販売している(販売終了時期は未定)。植物肉だけを使った商品ではないが、約2,000店舗規模の牛丼チェーンで大豆ミートを取り入れたハイブリッド型の事例として位置づけられる。
今後、2,000店舗以上を展開するスターバックスや、3,000店舗以上のマクドナルドなど、さらに規模の大きい外食チェーンが植物肉など代替タンパク質をメニューに正式採用すれば、国内のプラントベース業界に与える影響は大きいだろう。

2024年6月時のメニュー/Foovo佐藤あゆみ撮影
筆者自身、デニーズでゼロミートを何度か注文したことがある。大豆でできているとは思えない完成度の高さで、リピートしている商品の一つだった。
一方で、美味しくて気に入っているからといって、毎回注文するわけではなかった。外食では、その日の気分や体調、状況によって選ぶものが変わる。消費者に選ばれる理由は、美味しさ、健康メリット、価格、環境意識が揃うだけではないことを、自身の行動からも感じていた。
関連記事

アイキャッチ画像の出典:デニーズ





















































この記事へのコメントはありません。