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細胞培養でミルクを開発するカナダ企業Opaliaは4月28日、シードラウンドの初回クローズで320万カナダドル(約3億7,000万円)を調達したと発表した。
ラウンドはNàdarra Venturesが主導し、Spring Capital、UCEED、Anges Québec、既存投資家のInvestissement Québec、Cycle Momentum、BoxOne Venturesなどが参加した。
この発表は、同社が昨年発表したオランダの大手乳製品サプライヤーHoogwegtとの戦略的商業契約に続く動きとなる。
Hoogwegtとの商業契約に続く資金調達

出典:Opalia
Opaliaは2025年8月、オランダ創業の大手乳業サプライヤーHoogwegtと2026〜2027年の2年間にわたる契約を締結し、細胞性ミルク(細胞培養ミルク)の商用化を進めると発表した。
今回のプレスリリースによると、Hoogwegt以外にも、主要な乳業メーカーと有償のパイロット契約を締結しており、その中には売上・生産量で世界最大手の1つとされる乳業グループのカナダ部門も含まれているという。パートナーシップは3大陸5カ国に及ぶ。
プレスリリースでは北米で規制当局への申請に取り組んでいるとしており、Green Queenの取材では、共同創業者のJennifer Côté氏が、カナダ、アメリカの順に申請する方針を示している。北米以外ではアジア、欧州も視野にいれている。
細胞から「ミルク全体」を作るアプローチ

出典:Opalia
Opaliaは、牛の乳腺上皮細胞を用いて、バイオリアクターでミルクを生産する技術を開発している。この方法では、精密発酵のように特定の乳タンパク質だけを生産するのではなく、タンパク質、脂肪、糖分を含むミルク全体を生成できる。
そのため、原料としてだけでなく、そのまま使用できるミルクとして提供できるという。パートナー企業が、チーズ、バター、アイスクリームなど、さまざまな乳製品を製造する際に、既存の製造プロセスや配合を変更することなく、シームレスに活用できるとしている。
同社は2022年の発表で、製造プロセスからウシ胎児血清(FBS)を排除したと発表。乳腺上皮細胞から作られる同社のミルクには、4種のカゼイン、2種のホエイ、乳脂肪などが含まれると言及していた。
同社は調達した資金で、独自のモジュール型バイオリアクターのスケールアップを通じた量産システムを開発する。今後24ヵ月でモジュール型バイオリアクターを検証し、Hoogwegtなどの戦略パートナーとともに2028年の商用化に向けた基盤を整える計画だ。
認可事例はまだない細胞性ミルク

Foovo作成(2026年4月16日時点の状況)
細胞性ミルクの分野では、欧州初の細胞性ミルク企業Senara、昨年全乳の生成成功を発表した米Brown Foodsなども開発を進めている。Foovoでは今週8日、Senaraを招いたセミナーを開催する予定だ。
IFCNは2024年発行のレポートで、今後30年で世界の乳製品需要が供給を上回るスピードで増加すると予測している。2030年までに、満たされていない需要は牛乳換算で1,100万トンに達すると推定され、2050年に向けてさらに増加するとしている(p4)。
肉や魚向けの細胞性食品と異なり、ミルクについては食品としての認可事例はまだない。Opaliaの今回の調達は、商用化に向けた前進であり、北米での最初の認可がいつおりるかが注目される。
※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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