コーヒー

イスラエルのBrevel、細胞性コーヒーのCoffeesaiと提携|光照射発酵で商用生産への移行を目指す

SusHi Tech Tokyo 2025のCoffeesaiブースにてFoovo(佐藤)撮影

光を活用した発酵技術を有するイスラエルのBrevelは、細胞培養でコーヒーを開発するイスラエル企業Coffeesaiと提携したことを発表した。

気候変動により、コーヒー栽培地の最大50%が2050年までに利用できなくなる可能性が指摘される中、Coffeesaiはコーヒー植物の細胞を培養してコーヒーを生産することを目指している。両社は、光をコーヒー細胞の成長促進に活用し、商用生産への移行を目指す。

細胞培養コーヒー(細胞性コーヒー)では、コーヒー植物の細胞をバイオリアクターで培養するが、従来は暗所で培養が行われてきた。両社は、制御された光を当てることで、高い増殖速度とコスト削減を図る。

出典:Brevel/Coffeesai

プレスリリースによれば、発酵と光を組み合わせる光照射発酵は「従来の暗所発酵では達成できない可能性を切り開く」もので、価値ある天然化合物の一貫した継続的な生成が可能となり、収量とコストの最適化につながるとしている。

試験では、特定の光プロファイルを操作することで、付加価値を有する化合物の発現を調整し、得られるバイオマスの風味・香り特性を高められる可能性が観察されたという。

Brevelはイスラエル・イノベーション庁から100万ドルの助成を受け、光照射発酵技術を植物細胞培養のスタートアップに拡張している。Coffeesaiだけでなく、植物細胞培養のAyana Bioや、他の細胞性カカオ企業とも提携している。

同社施設には、50L、500L、5,000Lのフォトバイオリアクターがあり、まず概念実証(PoC)を行い、次に同社施設でのパイロット生産、最後にBrevelまたはパートナー企業や合弁会社での本格生産へ進める計画だ。

出典:Brevel

Pluri傘下のCoffeesaiは、Pluriの3D細胞増殖プラットフォームを活用する細胞培養コーヒー企業。

2025年10月には、メキシコ・チアパス州の公的機関INCAFECHと、メキシコにおける細胞性コーヒー生産の推進に向けた契約を締結した。両社は、細胞株開発、バイオリアクターを用いたパイロット規模での拡張性・プロセス検証、商用生産という3段階計画を発表している。

SusHi Tech Tokyo 2025のCoffeesaiブースにてFoovo(佐藤)撮影

プレスリリースによると、Brevelは光と発酵を組み合わせた光照射発酵技術を5,000Lの規模まで拡大した最初の企業とされる。2024年には5,000Lの商用施設をイスラエルで開設した。

出典:Brevel

同社の光照射発酵は、もともと微細藻類の培養技術として開発された。今年3月にはこの技術を用いて屋内閉鎖系で培養されたクロレラ原料「Purallis」を栄養補助食品向けに発表した。

フィンランドでも、細胞性コーヒー技術の商用化に向けた動きが出ている。

VTTは2021年にコーヒー細胞を用いて細胞性コーヒーの生産に成功し、2023年にはプロセスを論文として公表した。

最近では、VTTのインキュベーションチーム「Solunor」が、同技術を次の段階に進め、VTTからのスピンアウトを目指していると明らかにした。Solunorは、コーヒーとアボカドの植物細胞培養技術を、食品・化粧品向けに展開することを掲げている。

シンガポールのAnother Foodも、植物細胞培養によるコーヒー生産を進めている。

細胞性コーヒーは、気候変動や価格変動の影響を受けるコーヒー供給を補完する技術として注目される一方、コスト、規制、風味の再現性、消費者受容が商用化の課題となるだろう。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

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アイキャッチ画像はFoovo(佐藤あゆみ)撮影

 

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