インテグリカルチャーのアヒル細胞由来の細胞性食品 Foovo(佐藤あゆみ)撮影
細胞農業の社会実装を目指すインテグリカルチャーは今月8日、新たに資金調達を完了したと発表した。
ひろしまインキュベーション&キャピタル、広島ベンチャーキャピタル、大和製罐、博報堂DYベンチャーズ、山梨中銀経営コンサルティング、浜野製作所、リバネスキャピタルの7社が出資した。調達額は非公開。
インテグリカルチャーは調達した資金で、化粧品分野における原料開発・製品化の加速、細胞農業による地方創生に向けた国内ネットワーク拡大、B2Bパートナーの獲得、インフラ技術の強化を図る。
インテグリカルチャーは2015年創業。体内の仕組みを模倣した装置内で血清代替成分を生成する「CulNet®システム」を中核技術とする。
19社(2025年9月時点)が参画するオープンイノベーションの「CulNetコンソーシアム」をはじめ、企業の新規参入を支援する「CulNetパイプライン」、細胞農業の資材や知見を提供するB2Bマーケットプレイス「勝手場(Ocatté Base)」など、産業横断的なユニークな取り組みで細胞農業の社会実装を進めてきた。
こうしたインフラ事業と並行して、細胞培養由来の化粧品原料などを開発する製品事業も展開しており、化粧品原料「セラメント」は12社(2026年2月時点)に採用され、美容液やクリームなどの商品として一般流通している。
今年3月には住友理工との戦略的提携を発表し、年内にシンガポールでの新規食品申請を目指すことが明らかになった。
地方創生型の細胞農業にも取り組みを広げており、地域の天然水を活用した細胞性食品・化粧品原料の試作に向け、新潟県の津南醸造と提携している。

Foovo(佐藤あゆみ)撮影
今月には、最高技術責任者(CTO)の川島一公氏が代表取締役に就任し、現代表取締役であり最高経営責任者(CEO)の羽生雄毅氏との二代表制に移行した。川島氏が主に国内事業、羽生氏が海外事業を担当する。
川島氏は自社が目指す姿を細胞農業における「電力網」に例え、コンセントに差すだけで電気が使えるように、自社の技術基盤を酒蔵からコスメ工場まで、あらゆる現場で使えるインフラにしたいとプレスリリースで述べた。
羽生氏は、「様々な浮沈が発生するなど、細胞農業はまさに来るべき変曲点の中にあると言えます。当社においても、『みんなが使える細胞農業』が、実際のフルスタックインフラとして上市する瞬間を迎えています」とコメントした。
今回の資金調達では、中核技術の「CulNet®システム」の優位性に加え、日本発のグローバルな細胞農業エコシステムを構築できる可能性や、細胞農業が食品、化粧品、新素材、ヘルスケアなど多様な領域を支えるインフラへと発展する拡張性が評価された。
世界では、シンガポールやアメリカ、オーストラリアなど一部の国で細胞性食品の販売が認められている。日本でも制度整備が進んでおり、消費者庁は今年5月末、細胞性食品に関する初のガイドライン案を公表した。

Foovo作成(2026年4月16日時点の状況)
国内では細胞性食品の販売はまだ認められていないものの、インテグリカルチャーは2025年9月期に単年度黒字化を達成した。売上高の約半分を細胞農業製品事業、残りの約半分をインフラ事業が占めた。細胞性食品分野で厳しい資金調達環境が続くなか、食品の上市を待たず黒字化を実現した。
川島氏は、出資した7社が容器、マーケティング、地域金融、製造など、インフラの「出口」を担う企業であることに触れ、「広島や各地域からシンガポールまで、地域の資源と結びついた細胞農業を日本中、世界中のお客様に届けてまいります」と述べた。
※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像はFoovo(佐藤あゆみ)撮影























































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