出典:Biosphere
バイオものづくり向けのバイオリアクター技術を開発する米Biosphereは先月30日、昨年事業を終了したNovoNutrientsを買収したことを発表した。
この買収により、BiosphereはNovoNutrientsが培ってきたガス発酵技術やループリアクター技術を取り込み、自社プラットフォームを強化して、防衛、工業、商業分野でのバイオ製品開発を加速させる。
NovoNutrientsは2017年設立のアメリカのガス発酵スタートアップで、産業由来のCO₂、水素、酸素を原料に、独自の微生物を用いて食品や飼料向けの単細胞タンパク質原料を開発していたが、昨年夏に資産を売却することを発表した。
2022年設立のBiosphereは、バイオものづくり業界が70年前のリアクター設計に依存していることが足かせになっているとし、蒸気滅菌に代わるUV滅菌技術を用いたバイオリアクターを開発している。
同社は今年5月、空気、水、エネルギーからタンパク質を生産できる携帯型バイオものづくりシステムのプロジェクトに対し、米陸軍と最大900万ドル(約14億円)のOTA契約を締結したと発表した。OTA契約は、一部の政府機関に付与された、民間企業と柔軟な研究開発契約を締結する権限をいう。
NovoNutrientsが開発したループリアクター技術は、バイオものづくりにおける重要課題の一つである、気体原料を効率的に生物システムへ大規模に導入する課題に対処するために設計された。

出典:NovoNutrients
Biosphereの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)であるBrian Heligman氏は、「彼らのプラットフォームは現在進行中のアメリカ国防総省との契約に完璧にフィットするものです」とプレスリリースで述べている。
取得したNovoNutrientsの技術は、Biosphereが進める米陸軍関連プロジェクトにも活用される見通しだ。
米陸軍とBiosphereの3年半のプロジェクトでは、紛争地域、遠隔地、兵站上の制約がある環境で活動する兵士向けに、すぐに食べられる食事を生成する現場で展開可能なシステムの設計、開発、実証に資金が充てられる。
NovoNutrientsの元CEOのDavid Tze氏は昨年、自社の技術を得ることで「市場投入期間を5年短縮できる」可能性に言及し、「適切な手に委ねられ、十分な資本があれば、炭素とタンパク質に関する私たちの考え方を変える可能性があります」と述べていた。
今回の買収を通じ、BiosphereはNovoNutrientsの技術と自社のUV滅菌プラットフォームと組み合わせることで、迅速に展開可能で、拡張可能なバイオものづくりインフラの構築を進める。
これは、軍事的なニーズを背景に、場所にとらわれずにタンパク質を生産する技術が活用される一つの事例といえる。
似て事例として、ドイツ企業goodBytzが開発したコンテナ型の移動可能なロボットキッチンが在韓米軍基地で試験運用される事例もある。インフラが整備されていない場所でも、兵士に必要な食料を生産したり、温かい食事を提供したりするために、フードテックの先端技術が軍事用途で実証されている。
軍事用途での活用には慎重な視点も必要だが、過酷な環境でも安定的に食料を生産・提供するための技術開発が進み、装置の改良やコスト削減が進めば、将来的には日常での食品分野におけるフードテック技術の普及を支える土台になる可能性がある。
※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:Biosphere



















































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