出典:Cell4Food
細胞培養によるタコ開発に取り組む企業が事業を終了した。
ポルトガルの細胞性シーフード企業Cell4Foodは今月、事業を終了したことをリンクトインで明らかにした。同社は、タコを含む魚類、軟体動物、甲殻類などの細胞性シーフード技術の開発を進めていた企業で、ポルトガル初の細胞性シーフード企業として知られていた。
Cell4Foodは閉鎖の発表で、細胞性シーフードの開発は難しく、同社は「最も難しい種の一つ」であるタコを選び、意義のある進展を遂げたと説明した。また、複数の魚種で細胞株を開発し、甲殻類や他の軟体動物も取り組む予定であったと言及した。
同社は、「技術が失敗したから止めたのではなく、もっと時間が必要だっただけです」と述べ、これまで築いた知見や技術が次の担い手の基盤になることへの期待を示した。
2022年設立のCell4Foodは昨年12月に、ポルトガル2030のSIIDプログラムを通じて150万ユーロ(約2億7,000万円)を調達していた。資金は、細胞性シーフードを開発するCELLBLUEプロジェクトに充てられるもので、タコ細胞を用いて、風味、食感、栄養価を再現するハイブリッド製品の開発を目指すとされていた。
今年1月には、試行錯誤の80%削減や開発サイクルの短縮を目的に、バイオプロセス分野でAI技術を手掛けるイスラエルのAlgocellとの提携を発表していた。

出典:Cell4Food
今回の閉鎖は、直近まで資金獲得や提携を発表していた企業であっても、事業継続が難しい現状を示している。
Good Food Institute(GFI)によると、細胞性食品企業に集まった投資額は2025年に7,390万ドル(約120億円)となり、2024年の1億4400万ドル(約233億円)から減少した。投資家はコスト、味、規模などの指標で進展を示す企業をより選別するようになっている。
細胞株は2024年の75件から90件超に増えたものの、特に水産種での細胞株の整備が引き続き必要とされている。
GFIが2026年5月に公表した細胞性シーフード向けの連続細胞株開発ガイドでも、シーフードの細胞株開発では、種によって培地や成長条件が異なるため、プロトコルの多くは試行錯誤で決める必要があり、なお分かっていない点が多いとされている。
今回の閉鎖は、細胞性シーフードの可能性を否定するものではない。Cell4Foodは「細胞からシーフードを生産することは、可能であるだけでなく、実現可能であり、かつ必要不可欠であることを実証しました。私たちが始めたことは必ず実現します。その証拠を私たちは残してきました」と述べた。
シーフードに取り組む細胞性食品企業では、これまでに細胞性のすり身製品を開発していたシンガポールのFisherooが昨年、負債により事業を終了している。畜肉も含めると、イスラエルのBeliever MeatsやオランダのMeatableも閉鎖に至っている。
一方、細胞性シーフードで唯一上市を実現している米Wildtypeは現在も、アメリカの4店舗(ワシントンD.C.、ツーソン、サンフランシスコ、シアトル)のレストランで細胞性サーモンの提供を継続している(2026年7月8日時点)。
同社は最近、サケPDRNなどを含む、サケ細胞の培養上清成分(MCC)を配合したスキンケア製品および細胞性サーモンを家庭向けに配送する取り組みに向け、クラウドファンディングも開始している。
※本記事は、リンクトインの投稿をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:Cell4Food






















































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