カカオフリーのチョコレートを開発する英WNWN Food Labsは先月、シリーズAラウンドで560万ドル(約7億6000万円)を調達した。
WNWNは調達した資金で、生産をスケールアップし、今年後半にイギリスで予定している小売販売に向けてスタッフを増員する。
このラウンドは、マルタのベンチャーキャピタルPeakBridgeが主導し、FoodLabs、Geschwister Oetker、Mustard Seed Maze、PINC、Investbridge AgriTech、HackCapitalが参加した。
世界初のカカオフリーチョコレート
2020年に設立されたWNWNは、穀物やマメ科植物など広く入手可能な植物原料を使用して、独自の発酵プロセスにより、「チョコレートのような味わい、溶け、割れ、焼き」をもたらすカカオフリーなチョコレートを開発している。
WNWNのチョコレートはビーガンで、カフェイン、グルテン、パーム油を成分に含まず、従来のチョコレート製品よりも砂糖の使用量が少ない。カカオに含まれるアルカロイドのテオブロミンを含まないため、テオブロミンを摂取できない犬にも安全なチョコレートとなる。
チョコレートは牛肉、羊肉、チーズ、乳牛に続き、5番目に温室効果ガスを排出する食品とされる。WNWNが内部で実施したライフサイクルアセスメントによると、同社製品は、従来のチョコレート製品と比較して二酸化炭素排出量を80%削減できるという。
WNWNで最高技術責任者(CTO)を務めるJohnny Drain氏は、「チョコレートのフレーバープロファイルには、カカオ豆の発酵と焙煎に由来する何百もの異なる化合物が含まれている可能性があります。私たちは、持続可能で倫理的な他の原料を使用して、これを達成しました」と述べている。
製品発売から1日で完売
WNWNは昨年5月、「世界初のカカオフリーチョコレート」を発売した。大麦とイナゴマメ(キャロブ)を使用した代替チョコレートを公式サイトから限定販売したところ、1日で完売となった。
カカオを使用したダークチョコレートと比較するブラインドテストを実施したところ、「非常に似ている」という評価を得たという。
昨年9月には、キャラメルをチョコレートでコーティングしたダイムを再現した2つ目の製品「Waim! Bars」の限定販売を行った。これもすぐに完売となり、潜在的な小売パートナーに好印象を与えた。
製品の発売に続き11月には、生産スペースを8倍に増やす新施設の建設を開始した。施設の拡張により、厳選ギフト、高級レストランやバーなどのプロジェクトに向けて、パートナーに原料や完成品の提供を始めた。
今回の資金調達により、今年後半の小売販売に向けてスタッフを拡充する。
WNWNで最高経営責任者(CEO)を務めるAhrum Pak氏は、「WNWNは、カカオのサプライチェーンが地球と貧困に苦しむカカオ農家にもたらす負担を軽減できます。森林破壊に関連するカカオを禁止するヨーロッパ(の決定)を考えると、今回の投資は非常にタイムリーです」と述べている。
参考記事
WNWN Closes $5.6 Million in Series A Funding Round
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アイキャッチ画像の出典:WNWN