出典:Savor
炭素から代替脂肪を生成する米Savorは7月9日、スウェーデンを拠点とする植物油脂専門メーカーAAKと2年間の戦略的提携を締結した。両社は、代替乳製品とベーカリー向けの原料を共同開発し、商用化を目指す。
2022年設立のSavorは、植物や動物、農業に頼ることなく、炭素から直接油脂を作り出す技術を開発した。
同社の歩みは、牛肉やジャガイモなどの生産に化石燃料由来のエネルギーを使うのであれば、化石燃料を直接食品に変換した方が環境負荷を減らせるのではないか、という問いから始まった。

出典:Savor
Savorは、二酸化炭素やメタンに由来するパラフィンと呼ばれる固体状のワックスを主な原料としている。
このパラフィンを多段階の熱化学プロセスによって脂肪酸に変換し、さらに脂肪酸からさまざまなトリグリセリドをつくる。トリグリセリドの組成を調整することで、バター、牛脂、ココアバターなど、用途に応じた機能性を備えた油脂を生成できるという。なお、メタンや二酸化炭素の具体的な調達源や、パラフィンの製造方法については公表されていない。
両社は、欧米の顧客を対象に、代替乳製品とベーカリー用途で共同開発・商用化を進める。
両社の研究開発チームでは、すでにその取り組みが進められており、Savorの脂肪をAAKの既存の配合にどのように組み込めるか、また全く新しい製品の開発が可能かどうかの模索を始めている。契約の一環として、AAKは株式投資も行った。
サプライチェーンの安定性と原材料の環境負荷削減という圧力にさらされる食品メーカーにとって、土地や水などの制約を受けず、理論的に場所を受けずに製造可能なSavorの技術は、課題解決のソリューションとなりうる。
Savorは、最も複雑な脂肪の一つであり、市場の重要なギャップを埋められるとの理由から、乳脂肪の代替から事業を開始した。
2025年春、代替バターの販売を開始。今年にはTCHO Chocolateと提携し、Savorの代替乳脂肪「EcoButter」を5%配合したチョコレートを試作・公開した。
2月には化粧品・パーソナルケア事業への拡張を発表し、4種の油脂原料を発表した。
イリノイ州に、25,000平方フィート(約2322㎡)の旧油脂工場を改装したパイロット工場「SavorWorks1」を有する。今年2月時点で、生産能力は年産数トンで、業界からの需要が高まっていると発表していた。

出典:Savor
AAKはSavorとの提携に先立ち、同じく二酸化炭素から代替脂肪を開発するスウェーデン企業Green-Onにも出資している。Green-Onは2025年末にNexture/CSM Ingredientsのスタートアップ支援プログラムに採択された。ただし、AAKとの商用化や市場投入に関する続報は確認できていない。
Savor公式サイトによると、現在は100%合成脂肪酸を製造しているが、合成脂肪酸と植物由来脂肪酸を組み合わせたハイブリッド脂肪酸の開発にも取り組んでいる。
AAKのグローバル研究開発責任者Kim Olofsson氏は、「Savorの技術プラットフォームは、農業や従来のサプライチェーンから切り離された、持続可能性に優れた飽和脂肪酸の新たな供給源となります。これらの脂肪はAAKの植物油脂と組み合わせることで、幅広い機能とソリューションを実現できます」とプレスリリースで述べている。
※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:Savor













































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