出典:Kuehnle AgroSystems
光を使わずに非遺伝子組換え微細藻類からアスタキサンチンを開発する米Kuehnle AgroSystemsは7月8日、シリーズBラウンドでの数百万ドル規模の資金調達の完了を発表した。
2007年に設立されたハワイを拠点とする同社は、微細藻類のHaematococcus pluvialisから、食品、飼料、ペットフード、サプリメント向けにアスタキサンチンを開発している。
アスタキサンチンは、サケやエビなどに含まれるカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用を有する。サケやエビが赤みを帯びているのは、食物連鎖を通じてアスタキサンチンをしているためだ。
アスタキサンチンは、養殖漁の飼料では、生存率や繁殖能力、ストレス耐性などを改善する成分として使用される。ヒト向けでは、認知機能や糖尿病など生活習慣病への作用でも研究が進められている。
一方、2025年の論文によると、市販のアスタキサンチンの95%以上は、石油化学原料から合成されたものであり、持続可能な天然由来のアスタキサンチンへの関心が高まっている。Haematococcus pluvialisは細胞内含有量の高さから、天然アスタキサンチンの有力な生産源とされるが、厚い細胞壁、増殖の遅さ、光合成に依存する培養条件が障壁とされてきた。
微細藻類でアスタキサンチンを開発する企業には、Cyanotech、Algatech、AstaReal、Algalifなどがあるが、いずれもプロセスで光を利用する。これに対し、Kuehnle AgroSystemsは暗発酵でアスタキサンチンを製造する技術を開発し、光をプロセスから排除した。同社プロセスにより生産期間を数週間から数日に短縮できるとしている。
同社はすでに、フランスの製造パートナーBioreaと共同で、暗発酵によるアスタキサンチン含有オレオレジンの生産を、工業的に意味のある規模で実施している。同社は、暗発酵による天然アスタキサンチン含有オレオレジンの同規模での生産は世界初だとしている。

出典:Kuehnle AgroSystems
AgFunderの報道によると、基質には糖ではなく酢酸を使用するという。
Kuehnle AgroSystemsは2025年8月、アスタキサンチンの商用化に向けてオランダのCorbionと戦略的提携を締結した。今回調達した資金は、Corbionとの開発プログラムの加速、サーモン飼料製品の開発と検証、養殖業およびヒト向け栄養市場での規制対応などにあてる。Bioreaでのスケールアップも進める。
アスタキサンチンは、サーモン養殖の拡大に伴う飼料用途に加えて、その抗酸化作用により、サプリメントなどヒト向け栄養市場でも需要の拡大が見込まれている。
AgFunderの報道によると、同社は現在、Bioreaの6,000Lバイオリアクターで技術を実証しており、5万L以上の規模で商用生産に向けた選択肢を検討しているという。
アスタキサンチン市場が成長する中、障壁の一つだった光を不要とするKuehnle AgroSystemsの技術が、商用生産まで進むかが注目される。
※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:Kuehnle AgroSystems















































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